インタビュートップ > Vol.13 プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 代表取締役社長 クリストフ・プレヴォ

プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 代表取締役社長 クリストフ・プレヴォ

プジョー・シトロエン・ジャポンはそれまで別々の会社であったプジョー・ジャポンとシトロエン・ジャポンが2008年に合併して設立された。双方が持つ人材や資源を効率的に活用する一方で両ブランドのCIをしっかりと棲み分け、それぞれのネットワークで販売が行われている。フランス本国における新車販売の重責を担っていたプレヴォ社長にこれからの日本市場への取り組みについて話を伺う。

フランス車には日本車ともドイツ車とも違う、agrement(楽しみ)があります。

F 競合というと、具体的にはどこになるのでしょうか?

プレヴォ 特定のブランドではなく、まずは輸入車全体ですね。もちろん日本車にもあります。そして、3つ目の競合はわれわれ自身であり、自分自身にムチを与える必要があると思っています。この考え方は、柔道の精神に良く似ています。戦いながらも相手に敬意を表している点や、戦う際には相手に左右されるのではなく、自分たちのもっている長所、技を最大限にいかすという意味でも、似ていると思います。

F プレヴォさんは、柔道をされるのですか?

プレヴォ 以前、フランスでやっていました。

F 実はフランスは日本よりも柔道人口が多いと聞いたことがあります。何がそんなに魅力的なのでしょうか?

プレヴォ フランスには柔道をやっている人がたくさんいます。柔道に求められる資質や精神性が、フランス人にとても受け入れられるし、理解されているのです。日本人がフランスに愛着を感じているように、フランス人も日本に愛着を感じています。

F たしかに日本人はフランス料理も好きだし、フランスの洋服やバッグのブランドも大好きですしね。

プレヴォ そうなんです。グルメやファッションだけでなく、どうしてそういった愛着がクルマにも沸かないのかと(笑)。フランス車の魅力をしっかりとアピールできれば、もっと売れるとそう確信しています。

ちなみにプジョー308などに搭載されている6速ATはアイシンと共同開発したものです。そういう点でも日本とのつながりがあるのです。

F そうなんですか、ぜんぜん知りませんでした。ところで、プレヴォ社長がお考えになるフランス車の魅力って、どういうものなのでしょうか?

プレヴォ まずはスタイルです。エクステリアもインテリアも、例えばシトロエンにC4ピカソというモデルがありますが、他のどのMPVと比べていただいても違いは一目瞭然だと思います。プジョーであれば208や308のコクピットのデザインなどは、フランス語で、tete haute(楕円形の小径ステアリングの上に位置して前方視界と一体化するように設計された - ヘッドアップインストルメントパネル)と呼ばれるものですが、視線の移動が少なく視認性と操縦性が高くとてもオリジナリティの高いものです。
またDS3、DS4、DS5というDSラインは、その個性が抜きん出ています。また、フランス語でagrement(楽しみ、遊び心)といいますが、日本車ともドイツ車とも違う、ロードホールディング性能や静けさや、独特のドライビングプレジャーがあります。そういったことを、1つ1つ丁寧に発信していきたいと思っています。

F いま日本にプジョー・シトロエンの販売店はいくつあるのでしょうか?

プレヴォ 北海道から沖縄まで、日本にはプジョーとシトロエンを合わせて約130拠点があります。これは私にとって慣れ親しんだやり方であり、販売店様を通じてクルマを販売するというビジネス自体はこれまで本国でやってきたことと共通するものです。
大切な事はいかに販売店を活性化していくのかということなのですが、幸いにも日本の販売店はフランス車好き、プジョー好きで、シトロエン好きで販売してくださっている方が多い。一緒になって盛り上げていくためにも、インポーターとしては、製品のよさをしっかりとアピールしていく使命がありますし、その責任を強く感じています。

F 今年は東京モーターショーもありますが、何かサプライズは用意されているのでしょうか?

プレヴォ いまはまだ詳しいことは言えませんが(笑)。準備を進めています。308をはじめ、これから登場する新しいモデルには、従来はなかった高いクオリティがあり、最大限のブランドイメージが打ち出せると思っています。そしてもし初めてプジョー・シトロエンに乗っていただけたなら、きっとこれまでに感じたことのない、新鮮さを味わってもらえると確信しています。東京モーターショーでも、それ以外の機会にもこれからどんどんいい商品が出てきますので、楽しみにしていてください。

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インタビュアー:フェルディナント・ヤマグチ
コラムニスト。半導体・電子部品専門のマーケット・アナリストとしての顔をもつ一方で、コラムニストとしても活躍。「日経ビジネスオンライン」、「Tarzan」、「cakes」等に連載をもつ。トライアスロンを趣味とし、圧倒的なバイタリティでプライベートと仕事を両立。仕事の関係上誌面への顔出しはNGでマスクがトレードマークになっている。

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