JAIA 日本自動車輸入組合
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理事長会見(2016年7月21日)

2016/07/26


日本自動車輸入組合(JAIA)は2016年7月21日(木)、理事長会見を実施しました。
基調スピーチの内容は以下の通りです。

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ペーター・クロンシュナーブル 理事長

はじめに、本年4月中旬に発生した熊本および九州地方での一連の地震につきまして、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災されました皆様には心よりお見舞い申し上げます。被災地では、まだまだ多くの方が避難生活を送られています。一刻も早く被災地の皆様の生活が元に戻るよう心より願っています。

1. 2016年上半期の実績

昨年(2015年)の外国メーカー四輪車の販売は、約28万5千台となり、前年比で1.6%減少しましたが、台数としては過去4番目の高水準でありました。

今年に入ってからは、3月までの第一四半期では、前年同期比で約4%減でしたが、4月以降は一転して3か月連続の前年同月比プラス6%以上と増加基調が続いてきております。

本年1月から6月を通じた上半期の外国メーカー車の販売は、対前年同期比0.6%増の約14万5千台、日本メーカー車を含めた輸入車全体では、1.9%増の約17万台でありました。

登録車全体(約164万2千台)に占める外国メーカー車のシェアは8.9%(前年も8.9%)でしたが、登録車及び軽自動車合計(約254万7千台)に占める外国メーカー車のシェアは5.7%であり、諸外国と比較すると、依然として小さいシェアでした。

また、外国メーカーの次世代自動車の販売は好調であり、とりわけ、2016年上半期のクリーンディーゼル乗用車の販売は、昨年に引き続き対前年同期比99.1%増と好調が続いており、上半期では外国メーカー車に占めるシェアは14.6%と昨年(7.4%)を大きく上回る実績となりました。

さらに、価格帯別動向の特徴は、1千万円以上のハイエンドモデルの新車販売は、上半期として、対前年同期比18.1%増と堅調を継続しております。

2. 2016年下半期の展望

本年下半期の展望については、4月以降の増加基調は継続するとみています。会員各社はさらにニューモデルを投入し、最新装備を搭載した次世代自動車などの積極的な拡充を図る方針と理解しています。

2016年の一年間を通じた外国メーカー四輪車の販売は、1月21日の記者会見で申し上げました通り、30万台が視野に入ってくるものと考えています。

但し、英国の国民投票でEU離脱の判断が下されたことで世界同時株安につながっており、日本の自動車市場全体については、先行き不透明な状況が続くと見込まれます。

また、私共は特に、消費税率の10%への引上げが2019年10月まで2年半再延期され、それに伴い自動車取得税廃止についても延期が見込まれることとなり、ユーザーの為の税負担の軽減の実現が先送りされることを懸念しています。

いずれにしても、多様化するお客様の期待に的確に対応するため、世界各国のクルマ文化に育まれ、優れた機能を備えた「魅力あるクルマ、モーターサイクル」を、さらに日本のお客様に幅広く提供してまいります。

また、JAIAと致しましては、そのような会員各社によるニューモデル投入と最新技術を備えた魅力的なモデルの導入を支援すべく、日本と主要関係国間での技術基準の調和を促進し、輸入車がいつでも公平かつ平等な市場アクセスが得られるよう、最善を尽くして参ります。

3. JAIAの活動と課題

1) 税制改正要望

まず初めに、JAIAは、従来から他の自動車関連団体と連携して自動車に係る税の「簡素化、軽減化・公平化」を訴えております。

例えば、消費税との二重課税である取得税の廃止、また、一般財源化により課税根拠を失った重量税の廃止を強く要望してまいりました。昨年末の税制改正大綱では、「取得税は消費税の10%への引き上げ時に廃止する」ことが記述されましたが、その後、消費税の10%への引き上げそのものが2019年10月まで延期されることが表明されたため、取得税の廃止もその時点まで待たねばならないこととなります。

また、重量税については、「エコカー減税(基準)の見直しを2017年度税制改正において具体的な結論を得る」と記載され、重量税そのものは継続が明言されたこととなっており、一般財源化されたことでその論理的根拠を失ったはずの重量税が、「道路の維持管理・更新等のための財源」として、再び「事実上」特定財源化しかねない状況となっており、大きな懸念を持っております。

したがいまして、JAIAは、取得税については消費税率10%時点での確実な廃止と、重量税については廃止を含めた抜本的な見直しをさらに要望してまいります。

加えて、いわゆるエコカー減税制度につきましては、自動車重量税、自動車取得税および自動車税の減免措置を含め、JAIAは、極めて複雑化した制度を国税、地方税を通じて、ユーザーの為となる、簡素で統一されたものとするように強く要望します。自動車関連税制が公平な制度で、かつ、輸入車に対する消費者の自由な選択を促進するよう、今後とも、一層要望活動を展開してまいります。

2) 技術、環境案件への取り組み

JAIAは、最先端の安全技術、環境対応技術を搭載した輸入車の日本市場投入を促すため、技術基準や環境規制の国際的調和を推進してまいりました。最近のJAIAの関心事をいくつかご紹介します。

(1) 国際的な車両認証制度(IWVTA)

まず第一に、国際的な車両認証制度(IWVTA)について、日本の国土交通省のイニシアティブにより、国連の自動車基準調和世界フォーラムにおいて、国際的な車両認証制度である、IWVTA創設に向けた活動が進められています。この6月のWP29において1958年協定の改訂が認められ、制度全体が完成すれば、IWVTAで認可された車両について日本における認証作業の大幅な簡素化となるため、JAIAはこれが日本における法規制遵守に係るコスト削減につながると大きな期待を寄せています。

昨年6月の道路運送車両法の改正により、我が国ではIWVTAを一部採用した新たなる認証制度が本年4月から開始されており、IWVTAに関する国連規則(「R0」)が2018年に発効されることを期待します。

(2) デイタイム ランニング ランプ の国内受入れ

第二に、デイタイム ランニング ランプについて、JAIAが長く要望してきた結果、デイタイム ランニング ランプの日本国内での使用禁止が解除され、国連の国際基準の受け入れにより日本での使用が2016年中に認められる目途が立ったことは喜ばしいことです。

他の日本の独自基準の国際調和がさらに加速することを期待します。

(3) 排出ガス・燃費試験関連

第三に、乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP) について、JAIAは、まず、国連WP29が策定した、乗用車等の 国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)を採用するとの日本の方針を歓迎します。

排出ガスおよび燃費性能は、エコカー減税の適用基準でもありますので、その適用基準は、現行のJC08走行モードに基づく排出ガス・燃費性能基準からWLTP走行モードに基づく試験性能基準に変更されて行くものと理解しております。厳しい基準値に対する適正化を行わないままでのWLTP走行モードにおける試験はエコカー減税の適用に厳しい結果をもたらすことから、JAIAはその変更によって、エコカー減税の適用に不合理な結果を導かないように、関係省庁と密接に連携してまいります。

(4) On Board Refueling Vaper Recovery

第四に、将来規制として、燃料蒸発ガスの規制強化策として、給油スタンド側のステージIIと車両側のORVR(On Board Refueling Vaper Recovery)の2者択一が検討されているところです。JAIAは、ステージIIのほうがより即効性があり、より費用対効果があると考えます。

(5) 燃費試験

第五として、最近、日本車メーカー2社による燃費試験の不正行為が発覚しましたが、外国メーカー車についてはすべて、適用される法令に従って試験を行っていることが確認されました。国土交通省は6月10日、今後の不正行為防止策を発表しています。

(6) 自動走行(Automated and Connected Driving)

第六番目に、最近、いわゆる「自動走行」については、今後の自動車の安全性向上、渋滞緩和および環境汚染削減などの面で大いに期待が高まっています。安全運転支援や究極のゴールである「完全自動走行システム」の実用化のための技術進歩を図る様々な取り組みがグローバルに、行われています。

日本では、内閣府主導のSIPにおいて関連全省庁が参画し、自動走行の協調領域と競争領域を整理しながら、日本が進むべき技術開発の方向性が検討されています。また、経済産業省と国土交通省による検討会では自動走行の将来像も検討され、JAIAもオブザーバとして参加いたしました。

他方、日本の自動走行の実用化に向けて、2017年度からは、制度・技術面での具体的な課題の抽出・対処を目的に、大規模実証実験が計画されており、また、自動走行の主要要素の一つであるダイナミックマップの基盤整備に向けては、日本発の標準化活動等が進められております。

JAIAとしては、これらの日本国内の動きを的確にとらえて会員各社との情報共有に努め、合理的な基準や制度の導入・改正がグローバルに調和のとれた形で行われるよう活動を引き続き行います。

3)二輪車事業

まず、国際基準調和関連の分野において大きな進展がありました。例えば、念願であった騒音規制については、近接排気騒音の相対値化を実現する告示改正が4月に行なわれ、完全な基準の国際調和が実現しました。

次に、国内二輪車市場活性化への取り組みについても大きな進展がありました。例えば本年4月、第2回JAIAモーターサイクル試乗会を前回から改善を図った上で開催いたしました。開催の結果として、様々なメディアより、第1回開催時と比べて約3割も多い252名の参加者が有り、また、モーターサイクル・メディア並びにノン・モーターサイクル・メディアを合わせて、第1回より16媒体多い74媒体の参加が有りました。加えて、出展車輌数は、第1回開催時より28台多い77台が出展しました。誌面、テレビ報道などを通じて、輸入二輪車の魅力を幅広いユーザーにアピールすることができました。

JAIAは、翌年以降もJAIAモーターサイクル試乗会を継続および向上してまいります。

4. 結び

JAIAとしては、ACEA、AAPC、JAMAなど他の主要自動車関連団体との連携や政府関係部署との協調を通じて、日本の自動車市場の持続可能な成長にさらに貢献する決意であります。