JAIA 日本自動車輸入組合
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輸入車の新技術特集(4) フォルクスワーゲンのTSIエンジン

2010年7月5日


~低燃費と優れたドライバビリティを両立するECOテクノロジー~

フォルクスワーゲンが普及に力を入れているエンジン。それがTSIエンジンです。
TSIエンジンは、「最小の燃料で最大のパワーを」をコンセプトに開発されました。
その特徴は、「直噴」と「過給」にあります。

直噴は、シリンダー内に燃料を直接噴射する技術で、燃料の供給量と噴射タイミングを微細にコントロールすることが可能になります。また、燃料の気化熱によってシリンダーが冷却されるため、より多くの空気を吸入することができます。

過給は、空気を強制的に燃焼室に送り込む仕組みで、排気エネルギーを利用するターボチャージャーとエンジンの軸出力を利用するスーパーチャージャーがあります。

直噴エンジンは、燃料がシリンダー内で気化する際に熱を奪うため、過給によって上昇した吸入空気の温度を下げることができ、過給システムとの相性に優れています。

1990年代後半より、ヨーロッパでは、直噴ディーゼルエンジンが市場を席巻し、乗用車に占めるシェアは50%を超えるまでになりました。その背景には、コモンレールなどの技術によって著しい進化を遂げた直噴技術と、過給技術により、高いトルクと低燃費を実現したことが挙げられます。
しかしながら、ディーゼルエンジンは、燃焼圧力が高いため、エンジンを頑丈な構造にする必要があります。そのため、ガソリンエンジンと比較すると重量が嵩んでしまいます。

フォルクスワーゲンは、ディーゼルエンジンで培われた技術をガソリンエンジンに応用し、「直噴」と「過給」の組み合わせによって、パワーを犠牲にすることなく、小排気量化を実現し、ガソリンエンジンのダウンサイジングのさきがけとなりました。

フォルクスワーゲンがTSIエンジンの開発を正式に開始したのは、2002年末のことです。
そして、2005年秋のフランクフルトモーターショーで、世界初の直噴ツインチャージャーエンジンである「1.4リッターTSIエンジン」が一般公開されたのです。
ツインチャージャー、つまり2つの過給機は、それぞれが低回転域と高回転域を受け持ち、低回転域はスーパーチャージャーが、高回転域はターボチャージャーが採用されました。

そしてついに2006年初め、1.4リッターTSIエンジンを搭載した初の市販車として、ゴルフGTがデビューしました。
その後、ターボ単独過給の1.4リッターTSIシングルチャージャーのエンジンも開発され、2007年に市場投入されました(日本国内へは2008年6月に導入)。
日本の10・15モード燃費で15.4キロ/リットルを実現したこのエンジンは、日本とドイツで量販版のTSIエンジンとなっています。

さらに2009年末、1.2リッターのTSIエンジンがデビューしました。
アルミブロックやSOHC(2バルブ)の採用により、1.4リッターTSIシングルチャージャーエンジンと比較して、エンジン単体で24.5kgもの軽量に成功しています。
小排気量化により、材料の使用量を減らすことができ、エンジンの軽量化につながります。軽いエンジンは、ハンドリングに好影響を与えるとともに、燃費の向上にも大きく貢献することになります。

そして、このTSIエンジンの素晴らしい仕事を最高の伝道効率で伝達するのが、DSG(デュアル クラッチ トランスミッション)なのです。

1.2リッターのTSIエンジンは、ゴルフTSIトレンドラインとポロに搭載されています。

特にポロにこのエンジンを搭載するに当たっては、日本の10・15モード燃費や排出ガス規制への適合も重要な開発案件として取り入れられました。日本専用のエンジンコントロールユニットの開発が行われた結果、10・15モード燃費は歴代のフォルクスワーゲンの中で過去最高となる20キロ/リットルを達成しています。更に排出ガスも四つ星レベル(平成17年規制75%低減レベル)も達成し、エコカー減税(自動車取得税と自動車重量税が75%減税)の対象となっています。

○フォルクスワーゲンについてはこちらから
Volkswagen Interactive
http://www.volkswagen.co.jp

本記事の取材は、2010年5月に行いました。