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東京モーターショー2019 特別企画

2019年12月4日


~アルピナ社CEOインタビュー~


◆いまの成功はBMWのおかげ

Q:今後の戦略について教えてください。今後アルピナとして中長期的に見た時に、どのようにいまの市場を見て、どのように対応したクルマを作ってきたいと思っていますか。

A・ボーフェンジーペン:ひとつ忘れてはいけないのは、常にBMWから出てくるベースモデルに基づいてアルピナのクルマは開発されているということです。つまり、BMWの動きに大きな意味があるということです。振り返ってみればこの50年、BMWと共に歩んで来ることが出来たのはBMWのおかげといっても過言ではありません。
おそらく今後も内燃機の開発は続くでしょう。中期ではおそらく48Vマイルドハイブリッドシステムを使う状況になり、それに合わせた開発をしていくことになるでしょう。もちろん、BMW自身のハイブリッド、フルハイブリッド、電気自動車への取り組みは常にウォッチしていかなければいけません。
アルピナは小さな自動車メーカーですから、7年後にどういうモデルを出さなければいけないのかをいま決める必要性はありません。大体2~3年先に何をやらなければいけないかをいま決めて、それを実現することは、スピード感を持って出来るのです。
加えて、これからテーマになってくると思われる人工燃料があります。通常の燃料ではなく新たに作られる、それが植物由来か何かは分かりませんが、それによって排気ガスがゼロになるならば内燃機関が再び面白くなってくるでしょうね。アルピナとしては10年~15年で完全に電気自動車に全てが切り替わるとは思っていません。それよりもいま以上に様々な選択肢が増えていくと考えています。
そういったことから今後の電気自動車の姿は、おそらく市内、街の中を使って、サイズ的には小型化、せいぜい中型でしょう。大型の電気自動車はあまり存在してこないのではないかと予想しています。

◆独自モデルは“いま”はやるべきではないが

Q:SUVに関してもアルピナとしては力を入れていますが、セダンなどと比べると車高が高いため、楽しく運転するというための開発は難しいと思います。その辺りはどのように考えていますか。

A・ボーフェンジーペン:アルピナのSUVを購入しているほとんどのユーザーは、オフロードではなくオンロードで走っています。つまり乗用車並みの直進安定性が高いことが要求されており、決して従来のSUVやトラックみたいな感じで走るということは望まれてはいません。またもうひとつ要求しているのは燃費が良いことが挙げられます。これはアルピナという会社が出来て以来、大切なことなのです。より速いクルマ、強いクルマを作るのは極端にいえば誰でも出来ます。それとともに燃費を意識することはアルピナの課題ですので、昔から燃費は気にしています。

Q:なぜ燃費を気にするのですか。

A・ボーフェンジーペン:アルピナはずっとレースをやっていた会社です。特に長距離レースでは燃費が良ければピットストップが少なくなりますから、結局は上手くいくのです。そこからこのDNAが生まれたのです。
また常にアルピナは最新のテクノロジーを導入しています。1978年、自動車メーカーとして初めてコンピューター制御の燃料噴射を導入しました。1986年にはメタルの触媒を量産車に初めて採用してもいます。そういう意味ではアルピナは小さいメーカーですが最新のテクノロジーへの取り組みを好んでいる会社なのです。

Q:そういうことはレースに向けて技術開発のベースがあるからこそ出来るものなのでしょうか。

A・ボーフェンジーペン:その通りです。

Q:では理想的なアルピナはどういうクルマであるとお考えですか。

A・ボーフェンジーペン:現在はB4 Sのリミテッドエディションに乗っていますが、これは非常に満足しています。冬になれば5シリーズツーリングはスキーに行くために非常に便利です。私個人としてはどちらかというと小さいか中ぐらいのクルマを運転するのが好きです。特にB7を運転しなければいけないとは思ってはいません。

Q:最後にアルピナとして独自のモデルの開発はないのでしょうか。

A・ボーフェンジーペン:小さな自動車メーカーではありますが、常に夢として独自のモデルを作ること、これは何年間かに一度は考えが浮かんできます。しかしここで冷静に考えなければいけないのは、独自で開発して作るということは、非常にリスクが大きいのです。開発コストやホモロゲーションのコストなど色々なことを考えた場合、いまアルピナがやるべきではないという決断に至っています。

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〇インタビュー・文:内田俊一 写真:内田俊一・内田千鶴子

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