2011年8月10日
~ルノー車オンリーのイベントを東西で開催~
ルノー・ジャポン(日産トレーディング株式会社)は2011年7月、ルノーファン待望のルノー車オンリーのイベントを東西で開催しました。
ルノー・ジャポンは、お客様とのダイレクトコミュニケーションを目的としたイベントに力を入れています。イベントによって、お客様にクルマのある生活を楽しんでいただき、ルノーに対するより一層の愛着を感じていただくのも狙いのようです。
ルノー・ジャポンがこのようなイベントを初めて開催したのが、2009年6月の「カングージャンボリー」。以後、カングーのお客様が集う「カングージャンボリー」に加え、サーキットイベントの「ルノー パッションデイズ」と「ルノー・スポールジャンボリー」、クルマも自転車も一緒にとことん楽しもうという「ルノー&インターマックスス 6 Wheel Day」を実施しています。
2011年は、震災の影響により、ルノー&インターマックスス 6 Wheel Dayは中止となりましたが、7月に「カングージャンボリー」と「ルノー パッションデイズ」が開催されました。
今回は、その2つのイベントをレポートします。
ルノーカングージャンボリー2011
7月10日(日)、ルノーカングージャンボリー2011が開催されました。会場は背景に雄大な富士山を抱く、山梨県富士吉田市の富士カームの広大な芝生広場。夏の日差しに映える美しいグリーンの芝生が、この日ばかりは全国各地から参加したカングーをはじめとするルノー車の色とりどりのカラーに染まりました。
前日の不安定な天候から一変、当日は朝から快晴に恵まれ、早朝より参加者が続々と到着します。このため、午前8時のゲートオープンを早め、参加車両を迎え入れます。
10時のオープニング・セレモニー開始の時点ですでに200台を超え、最終的には314台(うち257台がカングー)のルノー車が会場に整列しました。
おどろきは参加車両のナンバープレートの地域の幅広さ。関東、東海近郊はもちろん、東北から関西、さらには四国まで、実に多様なプレートを目にすることができました。
■オープニング
ルノー・ジャポン COO(最高執行責任者)の大極 司さんの挨拶と共に、いよいよスタートです。ユーモアあふれる進行に、会場の雰囲気が、よりいっそう和みます。
■復興を願って
ルノー・ジャポンは、社内で復興支援ボランティアチームを結成し、被災地での支援活動を行っています。復興への願いを込めて、カングーの車体に、様々なメッセージが書き込まれています。
このカングーは、ルノー・ジャポンとともに被災地復興支援活動を行っているNPO法人である、4001feildへ寄贈され、今後被災地で活躍する予定です。
■新色も登場
オープニング・セレモニーのあとは、サプライズ・イベントが用意されていました。
まず、先日発表されたばかりの、日本限定カラー4色を纏った、「カングー・クルール(KANGOO Couleur)」の登場です。オレンジアンダルー(Orange andalou)、ベールジャルダン(Vert Jardin)、ブルークレール(Bleu Clair)の3色は、1970年代の初代ルノー・サンクの純正色を復刻、これにルノーとしては世界で唯一となるローズ(Rose)を加えたカラフルなカングーが会場に華を添え、またカングーオーナーの注目を浴びます。
4色勢揃いのカングー・クルール(KANGOO Couleur)
オレンジアンダルー(Orange andalou)
ベールジャルダン(Vert Jardin)
ブルークレール(Bleu Clair)
ローズ(Rose)
■ニューモデルもお披露目
続いて、この1年間に発表されたニューモデル達、カングー ビボップ、ウインド、トゥインゴ ゴルディーニ ルノー・スポール、メガーヌ プレミアムライン、メガーヌGTライン、メガーヌ ルノー・スポールの6台が次々と現れ、紹介されていきます。
それぞれのモデルについて、ルノー・ジャポン マーケティング部商品計画グループのフレデリック・ブレンさんが詳細な解説を行い、来場者からの質問にもひとつひとつ丁寧に応えていました。
カングー ビボップ
ウインド
トゥインゴ ゴルディーニ ルノー・スポール
解説は、ルノー・ジャポン フレデリック・ブレンさん
メガーヌ プレミアムライン
メガーヌGTライン
メガーヌ ルノー・スポール
■思い思いにくつろぎ、楽しむ夏の一日
会場では、フリーマーケットをのぞいたり、木陰で涼を取ったり、またキッズ・スポーツアトラクションやスペシャル・ネイルサロンなどの様々なイベントも開催され、参加者の皆さん、それぞれの方法で楽しんでいました。
■トーク・ショー
恒例となったトーク・ショーは、自動車専門誌「Tipo」編集部の皆さん、フランス人建築デザイナーのエマニュエル・ムホーさん、そしてルノー・ジャポンからフレデリック・ブレンさんの面々。今回のテーマは、「フランスと色、日本と色」。
ムホーさんによる巣鴨信用金庫 志村支店の建物の斬新なデザインを例に、「色使い」についての話題が中心となりました。
■岡山での再会を誓って
クロージング・セレモニーでは、皆さんのメッセージが書かれたカングーが、大極COOよりNPO法人、4001feildへ寄贈されました。
こうして、大いに盛り上がった夏の一日は終了し、翌週末に岡山で開催される「ルノー パッションデイズ」での再会を誓って、皆さん家路につきました。
ルノーパッションデイズ2011
7月17日(日)は岡山県美作市の岡山国際サーキットでルノーパッションデイズ2011が開催され、多くのルノー車が集まり、夏の一日をサーキットで楽しく過ごしました。
ルノーパッションデイズは、昨年に引き続き、ティーポ・オーバーヒート・ミーティングとの同時開催で行われました。
前週に開催されたカングージャンボリーに続き天気は快晴。岡山国際サーキットには、ルノー専用駐車場とパドックが用意され、早くから新旧のルノー車で埋め尽くされました。
サーキットイベントを物語るように、トウインゴ ルノー・スポール、ルーテシア ルノー・スポール、メガーヌ ルノー・スポールが沢山停まっています。特に30台限定で用意され、発売後数時間で売り切れたルーテシア ゴルディーニ ルノー・スポールが数台駐車されているのには大変驚きました。
■じゃんけん大会
今年も恒例のじゃんけん大会、毎回オーナーの心をくすぐるマニア憧憬のアイテムが賞品として出されます。
進行役は、もはやルノー・ジャポンの顔として活躍される、マーケティング部商品計画グループのフレデリック・ブレンさんです。
参加の皆さんが緊張しているのを察したフレデリック・ブレンさん、最初の賞品として取り出したのは、なんと2008年カレンダー(笑)。カレンダーの素晴らしい写真がその価値を持つものとして商品になったわけですが、フレデリック・ブレンさんのユーモアのセンスに脱帽です。
そのほかにも、メガーヌ ルノー・スポールのリアディフューザーなど、オーナーでしかその価値がわからない逸品がぞくぞくと出てきて、参加者の皆さんも気温の上昇と共にヒートアップしていきます。
また、本コースで行われる、ルノー車の同乗・体験試乗会「サーキットタクシー」の乗車権もじゃんけんで競われました。
■サーキットタクシー
ルノー車のサーキットタクシーは4回実施されました。
用意された車両は、発売されたばかりのトゥインゴ ゴルディーニ ルノー・スポールが1台とメガーヌルノー・スポールが2台です。
いずれもプロドライバーによるサーキット走行に同乗できる貴重な体験です。
じゃんけん大会を勝ち上がってきた幸運な参加者の皆さんを乗せ、ぞくぞくとコースインします。
各コーナーではコース幅を一杯に使ったハイスピードなコーナリングが披露され、定員乗車、かつノーマルスペックの車両でも相当な速度でコースを駆け抜ける姿が印象的でした。
■ルノー・カップ
11時からスポーツ系ルノー車のワンメイクタイムアタックである「ルノー・カップ」が開催されました。
ルノー社製の車両(アルピーヌ、ゴルディーニを含む)であれば年式・車種を問わず参加でき、今回は27台が出走しました。
岡山国際サーキットは、全長が3,703mで、コース幅は12~15m、2本のストレートと13のコーナーで構成されます。メインストレートは約600mで1.08%の下り勾配、バックストレートは約700mで1.10%登り勾配となっています。
今回の最速タイムをたたき出したのは、2002年式のルノー・クリオを操るゼッケン42番の方で、タイムは1分57秒、平均速度は113.841km/hでした。
■ルノースペシャルトークショー
11時30分からは会場中央のステージでルノースペシャルトークショーのスタートです。
メンバーは、Tipo編集長の佐藤 考洋さん、ROSSOとSCUDERIAの総編集長の嶋田 智之さん、レーシングドライバー青木 拓磨さん、ルノー・ジャポン マーケティング部商品計画グループのフレデリック・ブレンさんです。
いずれもルノーに造詣の深い方ばかりですし、ルノーの日本仕様の商品企画の最前線にいる方の話を聞けるとあって、炎天下の中ではありましたが、話に聞き入る皆さんのまなざしは真剣そのものです。
聞き手は、佐藤 考洋さんです。
話題は、ルノー・コレオスを日常の足にしているという青木 拓磨さんのお話から。
「普段、コレオスを愛用しているのですが、最近ドレスアップしてみました。ホイールを19インチにし、ローダウンしました。イタリア製のグイドシンプレックスというハンドコントロールの運転補助装置を装着していますが、CVTとの相性も良いです。
普段の足として大活躍し、昨年納車されたばかりなのに、すでに4万キロも乗ってしまいました。
ローダウンしたことによって、車いすでの乗り込みも楽になりましたし、とにかく乗っていて楽しい。」
「普段の使い勝手が良いですし、車いすも沢山の荷物も積めます。
更に凄いのは、助手席も倒れることです。段ボールのような荷物も沢山積めますよ。
ヨーロッパに行くとコレオスを沢山見かけるのですが、その理由がわかるような気がします。」
続いて嶋田 智之さんが、「パリでトゥインゴを見かけるようになりました。」と、ゴルディーニ ルノー・スポールが発売されたばかりで話題のトゥインゴへ話を変えます。
「トゥインゴ ゴルディーニ ルノー・スポールの足回りは、シャシーカップからシャシースポールになって、とてもしなやかになりました。ゴルディーニにはベストチョイスの足だと思います。」
「ゴルディーニはカリカリのチューニングカーではなく、おしゃれなラグジュアリーカーなんです。」とゴルディーニの設計思想に話題が及べば、フレデリック・ブレンさんの出番です。
「ゴルディーニは、ルノー・スポールよりもラグジュアリーに仕上げてあります。トゥインゴにはレザーシートを採用しました。外観上の特徴は、ブルーの車体と2本の白いストライプです。そのストライプもただのストライプではありません。ゴルディーニのGのロゴが入っています。」
続いて、ルノー・スポールの解説です。
「ルノー・スポールは、モータースポーツ、特にレースのイメージが強いですが、組織としては、市販車のスポーツモデルの開発と、フォーミュラカー、トロフィー、ラリーなどのレースカーの製作に分かれており、それらを同じアトリエで作っています。
中でもフォーミュラルノー3.5は、F1の2年落ちのモデルで性能の高く、ステップアップ用として使いやすいものになっています。
ラリーを除けば、ルノー・スポールが開発したレースカーを、ルノーがヨーロッパ8カ国で主催するモータースポーツの祭典『ワールドシリーズバイルノー』で見ることができます。」
また、ルノーパッションデイズなどのイベントを開催する意義についても話してくれました。
「ルノー・ジャポンは、ルノー・スポールの各モデルを日本で販売し、サーキットでルノー・スポール市販モデルの真髄を味わっていただきたいと思っており、今日のようなイベントを主催しています。ライフスタイルまで売っているメーカーは少ないのではないでしょうか。」
ただし、ルノーの真髄は、ルノー・スポールなどのスポーツ系モデルだけにあるのではなく、ベーシックなモデルでも味わうことができると皆さんは口をそろえて言われます。
特に嶋田 智之さんは、「ルーテシアのベーシックモデルである1.6MTこそ、隠れた名車だ!」と断言し、「絶妙なチューニングで、サスペンションの密度が高い感じがします。」と独特の表現で解説します。
更に、「ベースがしっかりしているから、ルノー・スポールはもっと楽しい!」と佐藤 考洋さん。
そこで再び、フレデリック・ブレンさんの解説。
「ルノーは、110年の歴史の中で、足回りの開発に特に力を入れてきました。フランスは、一般道の制限速度が90km/hですし、パリ郊外のワインディングも日本とは速度域が違います。このような中で、アウトバーンだけでなく、石畳、アルプスのワインディング、街中のゆっくりした速度域など、さまざまな道路環境に順応する足を追求してきたのです。
ルノーは、クルマを開発の最終段階で、必ず外の一般道路でセッティングを行います。パリの郊外は、県道も市道も道路はでこぼこで、コーナーはバンクのようにイン側がくぼんでいるところが多くあります。交差点を曲がったら、いきなり石畳だったりすることもあります。サスペンションのストロークがおのずと求められてきたのです。」
これには、青木 拓磨さんもご自身の体験から補足します。
「以前、サイクルスポーツセンターでトゥインゴに初めて乗りました。とにかく、足が良く動くのに驚かされました。
市販車のルノーでも、サーキットで普通に楽しめる。フランスで味付けされたシャシーの良さ、足の奥でのふんばり感、やわらかいのかと思ったら粘る足に対し、感覚的に乗りやすいと感じました。操られているというよりは、操っている安心感がありますね。」
フレデリック・ブレンさんはイベントの宣伝も忘れません。
「このようなことは普段の道路ではなかなかわかりにくいので、今回の同乗試乗でぜひ味わっていただきたいと思います。」
最後に青木 拓磨さんが、「障害者に対して、クルマを使って外に遊びに行こうというルノー・ジャポンの理念に共感しています。日本でモータースポーツを普及させていくためにも、ルノーと良いお付き合いをさせていただければと思います。」と締めくくりました。
■ルノー新型車展示
パドック内の展示スペースには、相次いで発売されたばかりの「新型メガーヌGTライン」と「ウインド」が展示されました。
新型メガーヌは5月に日本で発売が開始されました。精悍なフロントグリル、専用ローダウンサスペンション、17インチアルミホイール、ルノー・スポールが開発を手がけたスポーツシートなど、GTの名にふさわしい装備がおごられています。
ウインドは、ルノー・スポールが開発したクーペロードスターです。
シャシーもルノー・スポールの息がかかっているので、走らせて楽しいモデルに仕上がっているそうです。
電動格納式ハードトップはわずか12秒で開閉が可能です。
この開閉システムはルノーとフェラーリだけが採用されているもので、ハードトップ格納部分が大変コンパクトにまとめられています。また、その下には広いラゲッジスペースが用意されているので、スーツケースなども楽に収納が可能です。
■ファイナルパレードラン
ルノー車と共にサーキットでの1日を楽しんだ参加者、そして見学で来場された皆さんは、最後のプログラム、ファイナルパレードランに愛車で参加しました。
先頭はルノー・ジャポンの皆さんが操るルノー車とTipo編集部の皆さん。
その後を、コース全周を埋め尽くす勢いで皆さんの愛車が続きます。
皆さんの日焼けした笑顔とそれぞれの愛車が西に傾いた夏の夕日に映えますね。
天気も味方してくれた今年のパッションデイズでした。
次回のイベントは、2011年10月15日(土)のルノー・スポールジャンボリー2011です。ルノーファンの皆様は、お誘い合わせの上、富士スピードウェイに足を運んでいただければと思います。
○ルノーについてはこちらから。
ルノー・ジャポン オフィシャルサイト
http://www.renault.jp/
ルノーカングージャンボリー2011 フォトギャラリー
ルノーパッションデイズ2011 フォトギャラリー
本記事の取材は、2011年7月に行いました。