JAIA 日本自動車輸入組合
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認定中古車特集 Vol. 5 ルノー小平

2007年11月22日


連載第5回目の今回は、石畳で鍛えた乗り心地を備えたルノーを取り扱う、東京都小平市のルノー小平をご紹介します。

ルノー小平は、西武新宿線の小平駅より徒歩15分に位置しています。 小平駅に降り立つと、付近には栗畑や梨畑が多く、閑静な住宅街という感じがしますが、ルノー小平が立地する新青梅街道はクルマの交通量が多く、先ほどの静寂とのギャップに驚かされます。

ショールームには、陽気なアコーディオンの音楽が流されていました。

ルノー小平全景

ルノー小平では、店長の中川 団(まどか)さんにお話を伺いました。

-オープンされたのはいつ頃でしょうか?

当店は2000年6月24日にオープンしました。
ルノーと日産の提携を発表したのが2000年5月ですから、その直後のオープンです。
ルノー渋谷とルノー小平が最初にオープンしました。
当時のルノーの店舗基準に沿って作ったショールームで、なるべく日産色を出さないように造られております。
現在のルノーの販売ネットワークは、全国で販売店舗が76とサービスサテライトが14の合計90拠点になります。

新車ショールーム入り口

-苦労話などがあればお聞かせください。

私は2002年の1月から当店に勤務しておりますが、立ち上げ当初の現場では、『なぜ日産がルノーの販売をするんだ?』という意識が結構あったそうです。
日産のセールスマンは、皆、日産車が好きで日産に入ったので、輸入車のことは全く知りませんから、余計に違和感があったのだと思います。私も日産でのセールスが長くて、スカイラインがずっと好きでしたからなんとなく分かります。
当時の日産系の販売会社の経営者の方々は現場以上に戸惑ったことだと思います。

ルノー本体は、日産の販売ネットワークを使えば容易に売れると考えていたのかもしれませんが、当時は、『このような品質のクルマがこのような値段で良く売れるな~』と思ったものです。実際売れませんでしたが(笑)。

ここだけの話ですが、日産のセールスマンがルノー車を売っても当時はあまり評価されなかったのも正直なところです。

私は、当社(日産プリンス西東京販売㈱)がルノー八王子をオープンすることになったため、2002年1月から3ヶ月間、ルノー小平で研修することになったのが、ルノーとの出会いです。
ルノー八王子の計画は、直前に一旦休止したので、そのままルノー小平に残ることになりました。
ただし、研修と言っても、当店だけにいたのでは、ルノーの勉強になりません。
3ヶ月間は、あちこちの色々なお店(他ルノー店や他輸入車ブランド)に出向いて、写真を撮ったり、ヒヤリングをしたりしながら分析し、どういうクルマの見せ方をしたら良いのかを勉強しました。

ルノーをお乗り戴いているお客様からは、「他のルノーのディーラーにクルマを持ち込んだ際、メカニックが日産のつなぎを着て出てきて、質問に即答できなくてイヤになった」と当初は良く聞かされました。
そんな事があったため、日産色を排除したいと考え、名刺にも日産プリンス西東京販売と入れたくなかったのですが、これは会社から却下されました(笑)。

ルノー小平をどうやって黒字にすれば良いかを考えたときに、以前やっていた中古車をやろうと思いついたのが、当店が中古車を始めたきっかけです。まだ、ルノーの認定中古車制度がなかったときのことです。
中古車を始めてから、おかげさまで黒字転換することができました。
ルノー・ジャポンに対しては、「認定中古車のないブランドではお客様も安心できない」と訴え、ようやく認定中古車制度が立ち上がったところです。

-日産車好きだった中川さんがルノーを好きになったきっかけは何でしょうか?

ルノー小平に来て、最初の数ヶ月間はルノーの良さがわかりませんでしたが、休暇中にルノーで長距離のドライブに出かけたところ、休憩しないで長距離を走れることに驚かされました。本当に疲れないんです。これがルノーを好きになったきっかけです。

国産車は、色々と便利な装備が付いていますが、運転すると疲れます。
ルノーは疲れません。でも、ちょっと同乗した程度では良さがわからないかもしれません。

ルノーというクルマが好きになると、ルノーをセールスするというビジネスがより一層楽しくなってきました。
日本市場でのルノーのビジネスモデルとなる販売店を作り上げようと決意しました。

インポーター独自の特別仕様のクルマを販売することの重要さを教えてくれたのは、JAX(※1)時代のお客様でした。
ご商談でいろいろなご提案を戴くことができましたが、当時のルノー・ジャポンに話してもなかなか聞く耳をもってくれませんでした(苦笑)。

-ルノーの良さをどのようにお客様に説明していますか?

一言では表現しがたいです(笑)。乗ってみないとわかりません。
お客様に良くお話しすることは・・・ドイツ車 のシートは固いです。シートポジションをばっちり決めた場合は疲れませんが、そうでないと疲れます。クルマに合わせて人間が乗るのがドイツ車です。フラン ス車はその逆。懐が広くて、クルマが人間に合わせてくれます。いい加減なシートポジションでも疲れません。

昔のモデルですが、サンク・バカラのシートは素晴らしかった。
しばらくショールームに展示していたほどです。オイル漏れが酷くて解体しましたが。

ルノーはシートが良いだけではありません。
乗り心地の良さは、サスペンションとのマッチングだと思います。ルノーのシートだけを他のクルマに移植しても、ルノーの乗り心地になりません。ラバーブッシュも乗り心地に一役買っているんですね。

かしこまらないで輸入車に乗れるのがルノーの良さです。
最近はこの線でセールスしています。
輸入車というのを全面に押し出さない方が良いみたいです。

疲れ知らずのメガーヌのシート

-ルノーの品質はどうでしょう?

ルノーは、日本人スタッフが出向していることもあって、品質が良くなりました。
最近は、メーカーが日本の意見を良く聞いてくれるようになりました。
昔は酷かったんです。塗装が垂れていたり、バンパーに隙間が大きく空いていたり、鍵穴が無かったり・・・・・
私は、外国で作られているからこのような設計になっている、このような仕様になっているというのは気になりませんが、昔のルノーの仕上げの悪さには参りました。日産から来た営業マンは、その品質の悪さでモチベーションの低下の原因にもなりました。
これが改善したのは、ルノー・ジャポンが本国に対し、継続的に改善要請してくれたのも大きいと思います。
今は日産の追浜PDIで、日本独自の日産基準で納車前整備していますので、色々な他輸入車ブランドのクルマと比較しても遜色ない品質ですよ。トップレベルになったと太鼓判を押せます。

-売れ筋は?

主力車種はカングーです。販売台数の6割位を占め、頼りっぱなしです。
競合車が無いのが幸いしています。愛らしいデザインと道具っぽさが良いですね。
ルーテシアはちょっと苦戦です。
輸入車のあのクラスは、ぱっとみて輸入車とわかるデザインでないと辛いのではないでしょうか。

主力車種のカングー

-どのようなお客様が多いのでしょうか?

国産車からの乗換えが5割です。
国産車を所有されている方の増車も多いです。
以前は、7~8割が輸入車のオーナー、それもプジョー、フィアット、アルファロメオ、シトロエンが多かったのですが、今は大分変わり、ドイツ車からの代替もかなり増えました。

小排気量だからルノーを見に来たというお客様が多いです。
今は、「これは何CCですか?」という質問が少なくなりました。
競合しているクルマを聞くと似たようなクルマが多くなってきました。ルノーが認知されてきた証拠だと思います。

かつて、スピダー(※2)のお客様が当店に偵察に来られたことがありまして、メカニックに難しい質問をぶつけてくるんです。
当 店には、12週間に及ぶ厳しいトレーニングを受け、メーカーのテストに合格したコーテックの資格を有するメカニック(現工場長)が在籍していまして、その メカニックがお客様からの質問にきちんと答えたことで、それが口コミとなって古いルノーにお乗りのお客様が増えました。
古いルノーに乗られる方の社交の場にもなっています。
一方で、新しいお客様も順調に増えています。
以前は、商談に長い期間が掛かりましたが、今は国産車からの乗り換えの方が多く、商談成立までの期間も早いです。

トゥインゴや旧型ルーテシアのお客様に、当店の車検代の見積もりを出すと、ビックリされます。
高くて怒られるのかと思いきや、安くてビックリされているんです。昔に比べると現在は随分安いそうです。
今は、日産部品がルノーのパーツも取り扱っており、安定供給されますし、工賃は日産の時間工賃の考え方で算出しています。
他のブランドと比較して、メンテナンス費用を安く抑えることができるのもルノーの強みです。

自社工場完備でメンテナンスも安心

-中川店長のお気に入りは?

私の好きなルノーは、2台所有することができるのであれば、今の車の他にぶつけても良いクルマとしてカングーのMT車に乗りたいです。遊び道具としても実用車としても最高のクルマです。
今は、メガーヌのツーリングワゴンに乗っています。ホイールベースをメガーヌハッチバックより長くしているのが好きなところです。人がゆったり乗れて、荷物もたっぷり載ります。

ルノーのソリッドカラーのクルマの中で、日本仕様の黄色のカングーだけクリアを吹いています。
他のソリッドカラーはクリアを吹いていないので退色しますよ、とお客様に説明しています。
知っているお客様は、やれた雰囲気が良いと言ってワックスを掛けません。マニアックですね(笑)。

-認定中古車の売れ行きは?

最高に良いです。
中古車もカングーが好調です。
グランセニックは苦戦しています。認知されていないのもあるでしょうし、他のミニバンと競合すると、乗り心地以外の面では表面的装備などで負けてしまいますので。
お客様の中には、エスパスやカングーの4WDを希望される方もいらっしゃいますので、これらのクルマを導入して欲しいとルノー・ジャポンにはお願いしています。が、なかなか聞き入れてくれません。
今後、ラインナップ拡充の話があると聞いているので、それに期待しています。

アプルーブドカーの展示スペース

-スタッフの数は?

当店はセールス2名と店長の私もセールスをします。
事務が1名。
メカニックは3名ですので合計7名体制です。メカニックはサービスフロントも兼ねています。
メカニックが直接、お客様に診断結果を的確に伝え、また、お客様のクルマの不具合を直接聞くようにしています。
おかげさまでそれが口コミのネタになっているようです。
一番遠いお客様ですと、新潟から足繁くメンテナンスに来られる方がいらっしゃいます。
23区はもちろんですが、群馬、埼玉、千葉、神奈川のお客様も多いです。

-たくさんの御納車記念の写真集がありますね

納車の際には写真を撮らせていただいて、パネルにしてお客様にプレゼントさせていただいております。
アルバムはカタログでは表現のできない色の見本にもなりますし。

納車時の記念写真がおさまるアルバム

-ネット販売への取り組みは?

インターネットでは、メールでのお問い合わせが増えてきました。
サンルーフを開けた状態の写真を送って欲しいといった細かい注文を受けることもあります。
ただし、お客様には「通信販売もできますが、後悔しないためにも一度ご来店いただき、クルマだけでなく、店舗もご確認いただいてからご購入ください」と説明しています。
どんなお店なのか?どんな営業担当者なのか?どんな整備力なのか?をご来店いただければ確認出来ますし、当店の雰囲気に直接触れていただければ、確実に安心していただけます。
ご来店の無い通信販売ですと、万が一私どものご案内不足・行き違い等で、ご購入後にお客様の『思い』と違ったところがあったりしますと、それはとても悲しい事ですので。
私は趣味で大型バイクに乗るのですが、趣味的要素の強い『バイク乗り』はそういう観点で販売店を選別する人が多いんです。このあたりの感覚は輸入車も同じなんだと思います。

-インポーター(ルノー・ジャポン)に対しての要望はありますか?

ルノー認定中古車の専売店をインポーター主導で作っていただきたいです。
立地は、全国的に有名な場所が希望です。
そこで各店舗の下取り価額の下支えをして欲しい。
中古車をやっていない拠点は、程度の良いクルマを下取りしても、それを卸売り販売してしまうので、良い中古車を逃してしまうことになります。
このあたりのお話は首都圏よりも地方が深刻です。

-輸入車の魅力を一言どうぞ!

入り口は文化を買うということだと思います。
日本車にはないものを輸入車に求めて買うので、その部分は乗っていただかないとわからない。
ショールームでさわっても機能上のことしかわからない。
それだけで判断しないで欲しいです。
長時間乗るときっと良さがわかると思います。

ルノーは、フロントフェンダーが樹脂製なので、凹んでもすぐ戻ります。こういうのが文化ではないでしょうか。

フロントバンパーもグリルの上までつながっています。前をぶつけてもボンネットまで直さなくて済むという、合理的なフランス人の発想なんでしょう(笑)。

ボンネットとバンパーの境目に注目
後席のヘッドレストも日本車では上下しないものが多いですが、安全性にもシビアなルノーは、後席の乗員もむち打ちにならないよう、ヘッドレストが上下します。

安全性にもシビアなルノーは後席のヘッドレストも上下する
ドリンクホルダーは非常に使いづらいです(笑)。
でも、これにも理由があります。フランス人は、クルマの中でジュースを飲みません。ドライブ中もきちんと休憩時間をとってカフェやそれなりの休憩場所で飲むので、ドリンクホルダーはカップを置くための場所なんです。

カングーはドアミラーが電動で動きません。
フランス人は、その分クルマを安くし、手で動かせば良いという考えです。但し、それだけ合理的でも安全装備はケチらないところがルノーのすばらしさです。

ドアのモールも最近の日本車にはありません。
ぶつけても良いように、本当はつや消しが理想です。
フランス人は、キズがつくものに色は塗りませんからね。

お話を伺った店長の中川さん

-本日はお忙しいところありがとうございました。

(※1) JAX:1980年代から90年代初めにかけてのルノーのインポーター。
(※2) スピダー:正式名は、ルノー スポール スピダー。1996年から1999年にかけて少量生産されたオープン2シーター。

○ルノー小平についてはこちらから。
http://www.renault.jp/dealer/renault_kodaira/

○ルノーについてはこちらから。
ルノー・ジャポン オフィシャルサイト
http://www.renault.jp/

○ルノー アプルーブドカーについてはこちらから。
ルノー認定中古車「ルノー・アプルーブドカー」
hhttp://www2.renault.jp/ucar/

お近くの方は、是非お気軽にルノー小平にお立ち寄りください。

ルノー小平フォトギャラリー

本記事の取材は、2007年9月に行いました。