JAIA 日本自動車輸入組合
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Porsche Road Show 2011 High Performance Experience

2011年7月4日


~クルマ造りへのフィロソフィーと最新モデルの個性を体感する特別な試乗会~

ポルシェジャパン株式会社は2011年6月10日(金)と11日(土)の2日間、大磯ロングビーチ(大磯プリンスホテル/神奈川県中郡大磯町)で特別試乗会「Porsche Road Show 2011 High Performance Experience」を開催しました。

Porsche Road Show 2011 High Performance Experienceは、最新のポルシェ各モデルをご試乗いただき、特設ハンドリングコースでの走行や一般公道でのドライブを通して、ポルシェの魅力を知り楽しんでいただくイベントです。

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試乗会には、東京・神奈川のポルシェ正規販売店(ポルシェセンター浜田山、ポルシェセンター目黒、ポルシェセンター世田谷、ポルシェセンター銀座、ポルシェセンター横浜、ポルシェセンター湘南)から招待されたお客様と、ポルシェ公式サイトから応募され、当選されたお客様が参加されました。

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試乗会の講師として招かれたのが、モータージャーナリストの清水和夫さん。ポルシェスポーツドライビングスクールでは、チーフインストラクターを務められており、ポルシェに大変精通されています。

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会場には、試乗用の車両が用意されたほか、911ターボや911カレラGTSなどの最新モデルに加え、BOSEサウンドシステムが搭載されたパナメーラも展示されました。

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ポルシェジャパン株式会社がPorsche Road Show 2011 High Performance Experienceを開催したのは今回が3回目となります。
前回は、2011年5月14日(土)にクレフィール湖東(滋賀県東近江市)で、愛知県、岐阜県、京都府、滋賀県、福井県在住のお客様を対象に行われています。

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特設ハンドリングコース試乗(911カレラ、ボクスター、ケイマン)

大磯ロングビーチの駐車場にパイロンを設置して作られた特設ハンドリングコースでは、(1)ステアリングの軽快感とリニアで確実なハンドリングを確かめるパイロンスラローム、(2)圧倒的なパワフルさと安定感を確かめる直線でのフル加速、(3)圧倒的なブレーキ性能と安心感を確かめる120~130km/hからのフルブレーキ、(4)旋回能力の高さと安定性を確かめる30~50km/hでのコーナリングの4つのセクションが用意されています。
お客様は、1周の慣熟走行後、911カレラ、ボクスター、ケイマン、それぞれのモデルに2周ずつ、計6周試乗することができます。初めの1周はセールスマンが同乗しますが、そのあとは、ご同伴された方の同乗も可能です。

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また、待ち時間には、清水和夫さんがドライブする911カレラの助手席に体験同乗するというサービスもありました。

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初めは慎重に走られていた皆さんも、周回を重ねるごとに慣れ、背中から押し出されるような加速感や、圧倒的なブレーキ性能を堪能されていました。また、スラロームやコーナリングコースでは、リアエンジンの911、ミッドシップのボクスター・ケイマンのハンドリングの違い、更には、同じミッドシップでも屋根のないボクスターと屋根のあるケイマンの剛性感の違いまで体感されていたようです。

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■911カレラ

911カレラには、3.6リッターフラットシックスエンジンが、従来と同じくリアアクスルの背後に重心低く搭載され、最高出力は254kW(345PS)/6,500rpmを発揮し、最大トルクは390N・m/4,400rpmを発生します。
0-100km/h加速タイムは4.9秒をマークし、最高速度は289km/hに達します。

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■ボクスター

ボクスターには、2.9リッター6気筒ボクサーエンジンが搭載され、最高出力は188kW(255PS)/6,400rpmを発揮し、最大トルクは4,400-6,000rpmの幅広い回転域で290N・mを発生します。
0-100km/h加速タイムは5.9秒をマークします。ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)仕様車の場合、このタイムは5.8秒にまで短縮されます。

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■ケイマン

ケイマンには、2.9リッター6気筒ボクサーエンジンが搭載され、最高出力は195kW(265PS)/7,200rpmを発揮し、最大トルクは4,400-6,000rpmの幅広い回転域で300N・mを発生します。
0-100km/h加速タイムはマニュアルトランスミッション仕様車で5.8秒、ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)仕様車では5.7秒をマークします。マニュアルトランスミッション仕様車の場合、最高速度は265km/hに達します。

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一般公道試乗(パナメーラ、カイエンSハイブリッド)

特別試乗会(Porsche Road Show 2011 High Performance Experience)では、参加の皆様を2つのグループに分け、特設ハンドリングコース試乗が行われている時間にパナメーラとカイエンSハイブリッドの一般公道での試乗が行われました。

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試乗コースは、大磯ロングビーチを出発し、大磯ICから小田原厚木道路に乗ります。小田原西ICから西湘バイパスに入り、相模湾沿いの自動車専用道路を大磯西ICまで走行し、大磯ロングビーチに戻ってくるという約30分のコースです。

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■パナメーラ

パナメーラ/パナメーラ4には、ダイレクト・フューエル・インジェクション(DFI)採用の3.6リッターV型6気筒自然吸気エンジンが搭載され、最高出力は220kW(300PS)を発揮し、最大トルクは400N・mを発生します。
7速ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)を搭載したパナメーラには、信号待ちや渋滞時など、車が停止したときにエンジンを自動的に停止するオートスタート/ストップ機能も装着されています。

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■カイエンSハイブリッド

ポルシェ市販車として初めてのハイブリッドモデルであるカイエンSハイブリッドには、ダイレクトインジェクション採用の3リッターV6スーパーチャージャー付きエンジンと34 kW(47 PS)を発生するエレクトリックシステムによるパラレル式フルハイブリッドシステムが搭載されています。
モーターは、低回転域で333 PSのスーパーチャージャー付きエンジンをアシストして、わずか1,000 rpmで580 Nmの最大トルクを生み出します。システムの総出力は380 PS、最高速度は242km/h、0-100km/h加速タイムは6.5秒を誇り、そのパフォーマンスはV8エンジンを搭載した「カイエンS」 にも匹敵します。
モーターまたはエンジン単独あるいは両方を併用して走行することができ、住宅地走行時などにおいて静かに走行したいときには、60 km/hまではモーターだけで数キロメートル走行することが可能です。
信号待ちや渋滞時など、車が停止したときにエンジンを自動的に停止するオートスタート/ストップ機能も装着されています。

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清水和夫さんが語るポルシェの魅力とは

■ハイブリッドだけが環境技術ではない

ポルシェには「インテリジェントパフォーマンス」という環境の時代に対するメッセージがあります。環境の問題となると、まず、燃費が取り上げられますが、その他にもライフサイクル的に言えば、クルマが長持ちするか、生産時に資源を有効活用しているか、生産工場でCO2を削減しているか等、多岐にわたります。

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日本では、ハイブリッドや電気自動車がエコカーの代名詞になっており、エコカー減税制度が導入されていることもあって、もはやハイブリッドでなければ売れないような状況になっています。
ポルシェも、カイエン、パナメーラでハイブリッド技術を導入していますが、ハイブリッドは環境にやさしいクルマを造る一つの手段であり、ハイブリッド以外でも直噴エンジンや、空気抵抗(CD)の低減といった方法も、環境にやさしいクルマを造る有効な手段です。
クルマが受ける空気抵抗は大きく、速度の二乗に比例します。速度が2倍になれば、4倍の抵抗を受けることになります。例えば、走行中にドアミラーを畳むだけでもスピードは上がるほどです。空気抵抗が少ないということは、小さなエンジンでも高いスピードが出せるということであり、速いクルマを作るということも、見方を変えればエコカーを造るということになると言えるのではないでしょうか。

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また、今よくあるエコメーターは、アクセルの開度と連動しているので、エコと言うよりは省エネ。エコロジーは効率であり、投下したエネルギーと得られた仕事の大きさの比率で決まるものです。高速道路の渋滞の起点は坂道やトンネルの入り口ですが、エコメーターを気にしてアクセルを踏まないでいると、渋滞の原因を作ってしまい、結果的には、渋滞に巻き込まれたクルマから多くのCO2を排出してしまうこともあります。

高速道路ではしっかりアクセルを踏む。そのスピードに対してどれだけ燃費が良いかということを考えなければいけない。ハイブリッドだけではなく、空気抵抗や転がり抵抗など、総合力が問われるものです。ポルシェのように、スピードを追求したスポーツカーを造ってきたメーカーの技術は、実は環境面にも生かされているのです。

ポルシェは、6気筒エンジンを多く採用しています。競合他社のスポーツカーが、V8やV10などの大きいエンジンを積む中、小さなエンジンでも同じ速さが得られるのは、クルマを小さく、軽く造る技術があり、ポルシェの哲学としてクルマをむやみに大きくしないからです。ポルシェは、ドライバーの手が届きそうな所にタイヤがあり、クルマに乗っているというより、身に纏うような動くボディスーツに乗っているような感覚があります。

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■ポルシェのハイブリッド

環境対応は、ハイブリッド以外にも方法があると申し上げましたが、一方でハイブリッドでなければ絶対にできないこともあります。
一つはブレーキエネルギーの利用で、ブレーキ時に熱として捨てられていたエネルギーの一部を電気エネルギーとして回収することです。
もう1つは、エンジンを止めてバッテリーだけで電気自動車(EV)として走ることができること。カイエンのハイブリッドも、EV走行が可能です。住宅街の自宅の駐車場を出る時は、静かにEV走行し、幹線道路に出たら、エンジンで走行という使い方もできるのです。

ポルシェは、今から111年前の1900年に、創業者のフェルディナンド ポルシェ博士が28歳の若さでインホイールモーター方式のハイブリッド方式のコンセプトカー「ローナーポルシェ」を発表していました。
今後は、プラグインハイブリッドの918スパイダーも出てくる予定です。

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話は変わりますが、ツインクラッチのポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)という技術も、歴史を紐解けば、それは戦車のキャタピラから来ています。戦車は、進路を変えるとき、片方のキャタピラだけ動かしています。それを2つのクラッチを切り替えることで行っています。それが、ツインクラッチの昔の原理。当時の考えは、現在のクルマ作りにも脈々と受け継がれてきています。

■ポルシェの安全性

自動車において、安全性は一番大事なことです。事故になれば渋滞にもつながり、それはCO2量の増加にもつながります。事故の無い安全なクルマ社会は、環境対応への近道でもあります。安全と環境はセットであり、安全というプラットフォームの上に環境があるべきです。

ポルシェは、フロントにエンジンが無いクルマが多く、衝突時のエネルギー吸収がしやすい構造となっています。F1マシンもフロントにエンジンが無く、衝突時のエネルギーを全部そこで吸収出来るので、前側からの衝突にはものすごく強くできています。

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また、衝突安全技術の他にも、予防安全技術では横滑り防止装置(ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム(PSM))やトラクションコントロールなどがありますが、最近はIT技術を使って事故を未然に防ごうとしています。自動車メーカーの安全対策の方向性は、エアバッグ等の乗員保護から歩行者保護に移行しており、いかにして歩行者を検知するかが課題になっています。
カイエンには、オプションで24GHzレーダを使って斜め後方の障害物検知が出来る装備(レーンチェンジ アシストシステム(LCA))も用意され、死角にいるオートバイや自転車、歩行者の巻き込み事故を未然に防ぐことができます。

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ポルシェの安全性と言えばスピードリミッターの話があります。欧州では、ポルシェだけがスピードリミッターを装着しなくて良いというドイツの自動車メーカー同士の申し入れがあります。他メーカーは、250km/hでスピードリミッターが掛かり、それ以上のスピードで走ることができません。なぜ、ポルシェだけが、スピードリミッターをかけなくて良いのか?それは、最高速度に責任を取る圧倒的なブレーキ性能の開発を行うというポルシェのスポーツカーメーカーとしてのプライドと言えるでしょう。その原点は40年以上続く911から出発しており、人馬一体感の気持ち良さがあります。ポルシェの場合は、馬にまたがるというより、馬と一緒になるという感覚で、動くボディスーツを纏ったような感覚になります。それを味わってしまうと、なかなか止められない、一生忘れられないものとなるでしょう。

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燃費運転のコツ(清水和夫さん解説)

会場では、参加のお客様から清水和夫さんに対し、「燃費運転するためには、ゆっくり加速した方が良いのか?それともスパッと加速して一定速度を保った方が良いのか?」という質問が出されました。
清水和夫さんの解説がとても興味深い内容でしたので紹介させていただきます。

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速く走れば燃料消費も多くなりますが、その仕事量も大きくなります。1ccあたりの仕事率で言えば、ゆっくり走った場合とそんなに変わりません。
ヨーロッパの考え方は、「自動車は速く走らなければならない」であり、速く走っても、燃料消費率を抑えるようにという基本的な考え方でクルマを設計しています。
回転数を上げずに速く加速すれば、効率が良いということになりますので、多くのヨーロッパ車は、低回転時に最大トルクが発生するようなクルマを造っています。このような出力特性の場合は、2,000回転位でシフトしていけば、速く加速しても効率が良くなります。

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逆に、エンジン回転を上げないと力が出ないエンジンの場合は、ゆっくり加速した方が良い燃費が出ますが、ヨーロッパ車ではスピードを出すことを前提に考えられていますから、積極的にアクセルを踏んでも良いということになります。

減速する際は、パッとアクセルを戻して燃料をカットするのがポイント。
カイエンSハイブリッドは、さらにその上を行く「コースティング」という技術が取り入れられています。これは、アクセルオフするとエンジンをシャットダウンし、完全にエンジンとクラッチを切り離すことで転がり抵抗がなくなり、燃費も向上するという仕掛けです。

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燃費に一番悪いのが、加速とブレーキを繰り返すことです。
燃費に良いのは、一定に加速して行き、前を走るクルマに追いついたら、交通の流れにうまく乗るように運転すること。そして、その流れに乗るのは、ヨーロッパ車ではなるべく早く乗ること。ただし、絶対的に守らなければいけないことは、回転数を上げないことです。ポルシェのPDKはそうプログラムされています。その点を守ればびっくりするような良い燃費も出せます。

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○ポルシェについてはこちらから
ポルシェ公式サイト
http://www.porsche.co.jp

Porsche Road Show 2011 High Performance Experienceフォトギャラリー

本記事の取材は、2011年6月に行いました。