2011年8月10日
~パワーアップと同時に低燃費を実現した875ccの「2気筒」エンジン~
フィアット グループ オートモービルズ ジャパン株式会社(FGAJ)は、2011年3月24日(木)からフィアット500/500C TwinAir(ツインエア)を発売開始しました。
このフィアット500/500C TwinAir(ツインエア)に搭載されるのは、ツインエアエンジンと呼ばれる排気量がわずか875ccの2気筒エンジンです。
排気量がわずか875ccの2気筒エンジン
ツインエアエンジンは、フィアット本社とともにイタリア・トリノに本拠を置く、フィアット パワートレイン テクノロジーズ社(FPT)が開発しました。
875ccの2気筒エンジンには、マルチエアテクノロジー(緻密な吸気バルブ制御プログラム)と、小径タービンのインタクーラーターボが組み合わされ、85ps/5,500rpmの最高出力と、14.8kgm/1,900rpmの最大トルクを発揮し、運転の楽しみを失うことなく、21.5km/Lの燃費を実現しています。
フィアット500/500Cに搭載される4気筒の1.2リッターエンジンと比較すると、パワーアップと同時に低燃費を実現していることがわかります。
ツインエアエンジン (500 TwinAir POP) |
1.2 8Vエンジン (500 1.2 POP) |
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排気量 | 875cc | 1,240cc |
気筒数 | 2気筒 | 4気筒 |
最高出力 | 85ps/5,500rpm | 69ps/5,500rpm |
最大トルク | 14.8kgm/1,900rpm | 10.4kgm/3,000rpm |
燃料消費率(10・15モード) | 21.5km/L | 19.2km/L |
また、2気筒にしたことにより、エンジンのサイズが小さくなり、小さなエンジンルームにも適すほか、スパークプラグが2本で済むなど、メンテナンス性の向上や生産コストの低減にも資することになります。
マルチエアテクノロジー
ツインエアは、アルファ ロメオ・ミトに既に採用されているマルチエアシステムを採用しています。
マルチエアシステムは、電子制御油圧式の吸気バルブ開閉システムのことで、燃焼室への吸気流量をシリンダーごと、ストロークごとに直接調整することができます。
通常のエンジンの場合、吸気バルブのコントロールは、リフト量や開閉タイミングをカムシャフトで行っていました。マルチエアでは、このような機械的な要素を持たないため、リフト量と開閉タイミングを自在にコントロールすることが可能です。
このため、従来のスロットルバルブに代わって吸気バルブが吸気量をコントロールしますので、燃料消費量と排出ガスを大幅に低減するとともに、ドライバーのアクセル操作に対するエンジンレスポンスも向上しています。
ECO(エコノミー)スイッチ
フィアット500/500C TwinAir(ツインエア)には、市街地走行等の燃費性能をさらに高めるため、エコドライブを可能とする「エコノミーモード」を備えています。
ノーマルモードからエコノミーモードへの切り替えは、インストルメントパネルのECO(エコノミー)スイッチを操作することにより行います。
■ノーマルモード
ノーマルモードを選択した場合は、ツインエアエンジン本来のパワーを発揮します。高速道路や山間路などの、エンジン性能を最大限に発揮され、活発に走りたいときに適したモードです。
■エコノミーモード
エコノミーモードを選択した場合は、エンジンの最大トルクが14.8kgm/1,900rpmから10.2kgm/2,000rpmに制限されます。電動パワーステアリングのパワーアシスト量が増加し、デュアロジックの自動変速の制御プログラムも燃料消費量を低減するモードに切り替わります。
将来はハイブリッドシステムにも対応
ツインエアエンジンは、従来のエンジンに比較して、軽くコンパクトに作られていることも特徴です。
このため、エンジンとトランスミッションの間に電動モーターを組み込むハイブリッドシステムに適したユニットになっています。ハイブリッドシステムでは、アクセルペダルを戻したときや制動時に無駄になっている運動エネルギーを回生ブレーキとして回収し、再利用することができます。
近い将来としては、自然吸気型の65psエンジンや、ターボ過給式の105psエンジンの生産も計画されているとのことです。
インターナショナル エンジン オブ ザ イヤー2011で4賞を獲得
ツインエア エンジンは2011年5月、「インターナショナル エンジン オブ ザ イヤー2011」で4賞を獲得しました。対象排気量部門(1,000cc未満)で「最優秀ユニット」に選ばれたほか、総合最優秀賞の「インターナショナル エンジン オブ ザ イヤー2011」も受賞。さらに、「ベスト ニューエンジン 2011」と「ベスト グリーンエンジン 2011」にも輝きました。
○フィアットについてはこちらから。
フィアット オフィシャルサイト
http://www.fiat-auto.co.jp/
○ツインエアについてはこちらから。
http://www.fiat-auto.co.jp/twinair/about.html
○フィアット500 TwinAirについてはこちらから。
http://www.fiat-auto.co.jp/showroom_500_twinair_price.html
○フィアット500C TwinAirについてはこちらから。
http://www.fiat-auto.co.jp/showroom_500c_twinair_price.html
本記事の取材は、2011年7月に行いました。