JAIAの紹介 > JAIAからのお知らせ > 2016年のお知らせ > 理事長会見(2016年1月21日)

2016年のお知らせ

理事長会見(2016年1月21日)

日本自動車輸入組合(JAIA)は2016年1月21日(木)、理事長会見を実施しました。
基調スピーチの内容は以下の通りです。

pic_about_peter
ペーター・クロンシュナーブル 理事長

1. 理事長としての抱負

JAIAは、1965年に設立され、今日では、四輪車28社および二輪車8社が会員として名を連ね、それぞれが拡張を続ける輸入車ブランドを日本のお客様にお届けしており、この半世紀にわたり、日本の輸入車市場の大きな成長に貢献してきた。

理事長として、国内自動車市場の、とりわけ輸入車市場の発展に寄与できるよう、自動車業界が直面する諸問題の解決に向けて最大限の努力を払っていきたいと考えている。

そのためには、日本自動車工業会(JAMA)や欧州自動車工業会(ACEA)、米国自動車政策会議(米国自動車政策会議AAPC)など内外の自動車関連団体と緊密に協力していく。また、規制や政策に係る諸問題について関係省庁や当局と建設的な対話を行うことも重要であると考えている。

2. 2015年の実績

昨年は、エントリーモデルへの先進安全技術の搭載、最新の安全技術を装備したニューモデルや様々なドライブトレインの投入、既存モデルラインアップの充実などがお客様から大きな支持を得た。なお、終盤、内外経済の見通しに不透明感が増す中で、消費者が「慎重な待ちの姿勢」となったことなどから、国産車も輸入車も新車の販売台数は鈍化した。

昨年の四輪輸入車の合計販売台数は、前年比2.2%減の328,622台となった。

このうち、外国メーカー乗用車の販売台数は、1.5%と若干の減少で284,471台。一方、次世代自動車の販売、とりわけクリーンディーゼル乗用車の販売は年間を通じて増加し続け、62.1%増の28,834台となり、また、プラグイン・ハイブリッド乗用車の販売台数は114.9%増の1,775台と倍増した。

登録乗用車全体に占める外国メーカー乗用車のシェアは10.5%、登録乗用車および軽乗用車合計に占める外国メーカー乗用車のシェアは6.7%となった。

3. 2016年以降の市場展望

今後、高度な安全機能と環境性能とを備えた自動車に対する消費者の関心がますます高まると見通している。また、日本が高齢化社会に向うなか、中期的には、高齢顧客のための快適装備がますます重要になる。

こうしたトレンドは、安全性、燃費性能、環境適合性および有用性において、すぐれた最新の技術を搭載した輸入車に新たな機会をもたらすと考える。輸入車は、安全で持続可能かつ利便性の高いモビリティを、お手頃な価格で、あらゆる地域のお客様にいつでも提供することができると見込まれ、世界各国のクルマ文化の多様性を反映し、かつ、優れた機能を備えた「魅力ある四輪車、二輪車」を、日本のお客様に幅広く提供するうえで絶好の位置にあるといえる。

自動車産業の発展のためには、現代のクルマがモータリゼーションという長い伝統の一部として育まれるクルマ文化の形成が肝要である。ヨーロッパ諸国では、ヒストリック・カーの所有のみならず、その公道での使用を奨励するさまざまな制度が存在する。日本においても、そのようなクルマ社会を築くため、政府および地方自治体が歴史的なクルマに対する同様のインセンティブを提供するよう提案する。

日本の自動車市場にとって、2016年は試練の年になると見込まれる。その観点から、昨年12月に公表された与党の「2016年度税制改正大綱」に記載された自動車関連税制の変更は、自動車ユーザーの税負担増につながるもので、市場に悪影響をおよぼすリスクがある。

一方、輸入車は、東京モーターショーをはじめ、名古屋、大阪、福岡などの各モーターショー、また全国15か所以上で開催される輸入車ショウにおいて、来場者から大変な好評を博している。

こうしたお客様の高い関心に対して、会員各社は、ニューモデルの投入、先進的な安全技術やパワートレインの導入、また販売ネットワークの充実を通じて、積極的に応えていく計画をたてている。

2016年の日本の自動車市場は、厳しい状況、市場条件が継続すると予想されるが、このような会員各社の積極的な対応により、外国メーカー輸入車の販売台数は、300,000台を期待する。

4. JAIAの活動

1)自動車税制

JAIAは、他の国内自動車関連団体と同様、長年にわたり、自動車関連税制におけるユーザー負担の軽減と制度の簡素化を主張してきた。私も、理事長に就任早々に、国会議員の自動車税制改正ヒアリング会合に出席し、当組合の要望を訴えた。

JAIAとしては、与党による税制改正大綱に記載された「グリーン化特例」の延長方針を歓迎するが、一方、減税インセンティブ制度の燃費基準が強化されることで、減税を享受できる自動車の割合が減少してしまうことを危惧している。これは、自動車ユーザーの税負担が全体として増加することを意味し、未だ、消費税率の5%から8%への引き上げを完全に消化しきれていない市場を押し下げてしまうことを懸念する。

先行きに対する不安は他にもある。自動車業界は、2017年度に予定される消費税率の再引き上げの影響が、取得税の廃止で相殺されることを望んでいた。しかし、残念なことに、取得税は環境性能課税に置き換えられるとの決定がされてしまった。税負担全体が増加することによる国内自動車市場の大きな混乱を回避するため、JAIAは、他の自動車関連団体と協力し、2017
年度には負担の増加を相殺できる規模での自動車税引き下げを強く要望していく。

政府が2017年度以降の税制改正の機会に、「新たに導入される環境性能課税の最高税率の制度設計が、登録車は3%であるのに対し、軽自動車は2%とされ、さらに広がってしまう登録車と軽自動車との税負担の格差」を、自動車税の引き下げなどにより縮めることを期待する。

2) 技術、環境分野

JAIAは、最先端の安全技術、環境対応技術を搭載した輸入車の日本市場投入を促すため、長年にわたり、技術基準や環境規制の国際的調和を推進してきた。最近進展が見られた例をいくつか紹介する。

(1)自動車の騒音規制

長年にわたり求めてきた騒音規制の国際調和については、昨年10月、日本政府とEUは、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29 )において、「より実態を反映した新たな試験法」について合意した。JAIAとしては、これらの新たな騒音規制を採用するとの環境省の決定を歓迎する。

この改正が実施されれば、会員各社は、日本独自の追加試験を行う必要がなくなる。

(2) 国際的な車両認証制度(IWVTA)

国土交通省の支援のもと、国連のWP29において、国際的な車両認証制度(IWVTA)の創設に向けた活動が進展している。このIWVTA全体が完成すれば、IWVTAで認可された車両については、日本における認証作業が大幅に簡素化されるため、会員各社は大きな期待を寄せている。

日本では、昨年6月の道路運送車両法の改正により、本年4月からIWVTA実施の第一歩となる新たな認証制度が開始される。

(3) 自動走行(Autonomous Driving)

「自動走行」は、自動車の安全性と環境性能向上の両面で大いに期待されている。

現在、我が国でも欧米諸国でも、究極のゴールである「完全自動走行システム」に向けた最初の一歩として、先進技術促進のための取り組みが始まっている。しかし、自動走行技術の進歩のために行う既存の基準・規制等の改正については、貿易障壁とならないことが重要である。JAIAとしては、こうした技術の利用について法整備を行う際には、国際調和を十分に考慮するよう、当局に対しはたらきかけていく。

(4) 排気、燃費試験へのWLTP採用と将来の排出ガス規制

JAIAは、将来の排出ガス規制および燃費試験法の基礎として国連WP29が策定した、乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)を採用するとの日本の方針を歓迎する。

しかし、新基準の採用に際しては、その基準の内容および採用時期の両面で、国際的に調和させることが肝要である。WLTPの導入時に日本独自の要件が新たに生じることのないよう、引き続き関係省庁と密接に連携していく。
同様に、すでに議論されている直噴ガソリン・エンジン車の粒子状物質(particulates)や燃料蒸発ガスについても、国際調和を推進していく。

3)二輪車事業

国際基準調和関連の分野において、大きな進展があった。
第一に、念願であった騒音規制について、近接排気騒音の相対値化を実現する告示改正が行なわれ、完全な基準の国際調和が実現する見通しとなった。
第二に、灯火器関連規制については、DRL(Daytime Running Light)以外の基準が、2015年6月に国連基準への調和が完了した。

市場活性化への取り組みについても紹介する。
昨年4月に、メディアを対象としたJAIA二輪車事業史上初めての「合同試乗会」を開催したことは、画期的な進展であった。二輪専門誌、一般紙を合わせて58社、195名が来場し、誌面、テレビ報道などを通じて、輸入二輪車の魅力を幅広いユーザーにアピールすることができた。本年も昨年同様、より幅広いメディアを対象に、第2回試乗会を開催すべく準備を進めている。

5. 結び

本年は、過去50年間に輸入車が担ってきた役割をまとめた「JAIA 50年史」の発刊を予定している。
日本の自動車市場の今後の50年を見据え、JAIAは、JAMA、ACEA、AAPCなど他の主要自動車関連団体との連携や政府関係部署との協調を通じて、日本の自動車市場の持続可能な成長にさらに貢献すべく努める。