JAIA 日本自動車輸入組合
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メルセデス・ベンツ ドライビング・エクスペリエンス

2010年3月24日


~最新の環境テクノロジーと先進のアクティブセーフティを体験~

メルセデス・ベンツ日本株式会社(MBJ)は2010年2月18日(木)と19日(金)の2日間、大磯プリンスホテル(神奈川県中郡大磯町)で、メルセデス・ベンツ ドライビング・エクスペリエンスを開催しました。

メルセデス・ベンツ ドライビング・エクスペリエンスは、MBJ社として初の開催となる一般のお客様を対象とした試乗会で、参加されたお客様は、(1)モータージャーナリストの清水 和夫さんによる基調講演(環境問題への取り組み、未来への展望とメルセデス・ベンツの新たな環境技術「ブルーエフィシェンシー」に関する講演)、(2)アクティブセーフティ試乗(特設コースにて緊急回避、旋回ブレーキなどの体験)、(3)ブルーエフィシェンシーラインナップ(SクラスHYBRID、EクラスBlueTEC、EクラスCGI)の一般公道試乗、という盛りだくさんな内容を体験することができます。

会場の大磯プリンスホテルには、たくさんのメルセデス・ベンツがお客様を出迎えてくれました。写真のSクラスHYBRIDは、一般公道試乗用に用意された車両です。お客様の中には、宮城県や大阪府から参加された方もいらっしゃったとのことです。

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日頃、何気なく接しているクルマでも、環境負荷の低減を目指す技術や、交通事故を未然に防ぐための車両制御システムなど、ドライバーの目に見えないところ、感じないところで、常に働いています。
これらを清水 和夫さんのわかりやすい講演や、実際の試乗で体感することができる有意義な機会だったと思います。

清水和夫さん基調講演

~ターボエンジンは環境技術~

今は環境への取り組みが厳しく問われることになり、自動車の燃費を向上するための技術として、「ターボ」が使われることが多くなりました。
日本でターボエンジンというと、走り屋さんのための技術というイメージがありますが、もともとは航空機のエンジンの技術で、空気の薄い上空で、エンジンに強制的に空気を送り込み、それでパワーを稼ぎ、エンジンを小さくするための技術です。

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ヨーロッパのディーゼルエンジンは、ほぼ例外なくターボを装着しています。ターボ技術は環境技術なのです。

E250 CGIは、Eクラスのボディに1.8リッターのエンジンということで頼りないような気もしますが、直噴ターボの技術により、310Nmという、3.0リッターV6エンジン並みのトルクを発揮します。
エンジンのダウンサイジングに成功した例と言えるでしょう。

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~単なる「省エネ」ではなく、「豊かさと環境を両立」~

この50年間を振り返ってみると、石油資源が豊富だった時代は、ガソリンエンジンを基本として、ボディ・エンジンともに拡大を続けてきました。
しかし、地球環境の危機が叫ばれる中、いかに燃費効率を上げるか?が重要な課題となってきました。

メルセデス・ベンツのようなラグジュアリーで大きなクルマにも、燃費を改善することが求められます。
メルセデス・ベンツは、新たな環境技術を「ブルーエフィシェンシー」と称して、クリーンディーゼルの「BlueTEC」、小排気量ガソリン直噴ターボの「CGI」、電動駆動を併用する「HYBRID」を導入しました。

特筆すべきは、走る喜びや気持ち良さ、そして力強さを我慢せずに、燃費を向上している点です。
単なる「省エネ」ではなく、「豊かさと環境を両立」することをヨーロッパのメーカーは追及しているのです。

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~「お母さんのひざ枕」のようないやし感~

日本では、ディーゼルエンジンはダメなエンジン、うるさいエンジン、走らないエンジンというイメージがありましたが、もともと大きな力を出すのが得意なエンジンです。
ディーゼルエンジンの一番得意とするものは、「長距離移動の快適性」に尽きます。

欧州車の中には、運転が本当に楽しいクルマがあります。ただ、そのクルマで100キロ、200キロと長距離を連続して運転していると、運転が辛くなってくることがあります。
そうなってくると、メルセデス・ベンツの本領発揮です。「お母さんのひざ枕」のようないやし感がドライバーを包んでくれます。一日で1,000キロ走ると、メルセデス・ベンツの本質が見えてきます。

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これは、どっちが良いというものではありません。メーカーの設計思想の違いであって、お客様がどのようなクルマの使い方をするのかで選んでいただければと思います。

~ガソリンと軽油のバランス~

原油からガソリンを精製すると、必ず重油や軽油が精製されます。
それは一頭の牛肉からヒレ肉を食べようとすると、スペアリブや脂身が取れるのと同じです。

日本では、乗用車は圧倒的にガソリンエンジンが多く、どうしても軽油が余ってしまいます。
ヨーロッパは、ガソリンと軽油のバランスが取られています。

ドイツも以前からディーゼルエンジンが多かったわけではありません。かつてのディーゼルエンジンは、うるさい、走らない、臭いで、燃費しか取り柄がありませんでしたから。

しかし、1990年代に入って、コモンレールという技術が確立されました。
ガソリンは気化しやすいため、空気と混ざりやすいですが、軽油は気化しにくいため、空気と混ざりにくいという特徴があります。
軽油と空気が十分に混ざらずに燃焼した場合、どうしても燃えカスが残ってしまいます。コモンレールは、軽油を高圧でミンチ状にバラバラにし、空気と混ざり易くして、燃えカスを残さないための技術です。

ヨーロッパの人達は、燃費が良くてスピードが出るクルマを求めていますから、このコモンレールの技術により、1990年代から一気にディーゼルエンジンが脚光を浴びるようになり、人気に火がつきました。

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~ディーゼルエンジンの進化~

ディーゼルエンジンがパワフルなのは、圧縮比が高いからです。
ディーゼルは空気だけを圧縮することもできますので、圧縮比を高くすることにより、燃料を薄くすることができるのです(リーンバーン)。

ガソリンはノッキングが起きてしまいますので、圧縮比を一定以上、上げることができません。
逆にディーゼルエンジンは、空気を多く吸っているため、NOxが出やすいという特徴があります。このNOxを処理するために考案されたのが、今回発売されるBlueTECに採用された尿素水(アンモニア)を排気ガスに噴射するという技術です。尿素水のタンクはトランクルームに搭載されていますが、使用量は極僅かです。

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~ガソリン対ディーゼル~

排ガスと燃費の関係では、排ガスはガソリン、燃費はディーゼルが優れています。自動車メーカーは、その良い所取りを目指してきました。
ただし、ガソリンエンジンがディーゼルエンジンを絶対に越えることができないのが「トルク」です。

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ガソリンエンジンは高回転まで回りますので、馬力が出ます。
ただし、皆さんが日常使う速度域では、馬力はあまり意味を成しません。
それよりも、加速の際の力強さとか、レスポンスの良さが大事です。

変速機の多段化により、ディーゼルエンジンの回転数をもっと下げることができます。
もっと静かに気持ち良く走れるようになるでしょう。

~地味な技術にもメルセデス・ベンツの拘りが~

最近のクルマはメーターが自発光式のため、夜間にヘッドライトの点灯をうっかり忘れてしまうことがあります。
メルセデス・ベンツは、早くからそれに着目し、今では、ヘッドライトスイッチにはOFFがなく、ONかAUTOしかありません。

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メルセデス・ベンツのAT車は、走行後に停止状態になると、エンジンの負担を減らすために自動的にニュートラルに入るようになっています。その後、ブレーキペダルから足を離すと、0.2秒後に自動的にDレンジにギアが入るようになっています。

~2010年はディーゼル元年~

メルセデス・ベンツからポスト新長期規制のディーゼルエンジンが導入された今年は、ディーゼル元年だと思っています。
関東圏では、環状道路の整備が進み、高速道路料金の値下げとあわせて、手軽に長距離ドライブが楽しめる環境が整いました。
低コストで楽に楽しくクルマで移動することが、このBlueTECで可能になるのです。

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ドライビング基礎講座&アクティブセーフティ体験

大磯プリンスホテルの海側(南側)のロングビーチ駐車場では、ドライビング基礎講座とアクティブセーフティ体験が行われました。
インストラクターは、レーシングドライバーの松田 晃司さんです。参加されたお客様が体験するメニューの説明と、ドライビングポジションの説明がありました。
松田さんが特に強調されていたのはシートポジションです。緊急回避のためには、何よりもブレーキを確実に踏み込むことが必要です。その際、奥までブレーキペダルを踏み込む必要がありますし、シートが柔らかい分、若干ですがつぶれますので、それを見込んで、やや窮屈なくらいにポジションを取るのがちょうど良いのだそうです。

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~ドライビングポジションの取り方~

乗り込んだら、ブレーキを強く踏む。その状態でシートの前後を調整する。その際、ひざが若干曲がっていることが大事。ひざが伸びていると、大体筋を使った強いブレーキングができない。また、お尻がシートバックに収まっていることも必要。ハンドルは、上端を握った状態で、ひじに余裕があることが必要。こうすれば、9時15分の位置でハンドルを握った際、大舵角を切った状態でもハンドルを持ち換える必要が無くなる。これは普段の街中での運転でも同じ。

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試乗車両として用意されたのは、C200CGIが4台、A180が2台、B180が2台の8台です。
お客様は、Cクラス、AまたはBクラス、Cクラスの順に3回試乗します。最後にインストラクターによる同乗体験試乗となります。

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(1)緊急回避

スタート地点からアクセル全開で70km/hまで加速します。ブレーキング開始のコーンで、何かが右から飛び出してきたという想定で、ブレーキを強く踏み続けながら左に避け、右に戻して停止します。
ABSが効くまでしっかりとしたブレーキングを行うことで、安定して障害物を回避することを体験します。

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ブレーキングポイントでブレーキを踏むのは、なかなか難しいものです。最初は、手前で踏んでしまう方も見られましたが、インストラクターのアドバイスで徐々に慣れ、ブレーキとハンドリングの両立で緊急回避することを学ぶことができたようです。

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(2)スラローム

ハンドルを9時15分の位置で握り、その手を持ち換えることなく、無理のないペースで、右、左とリズミカルに車両をコントロールします。この時、車両の安定感、操作性等を確認します。
メルセデス・ベンツの安定した車両バランスを体感します。

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(3)旋回ブレーキ

スタート地点から70km/hまで加速して、散水された路面に進入します。その後、ラインに沿ってハンドルを操作し、この時同時にブレーキ操作で急ブレーキを作動させます。
滑りやすい路面の緊急ブレーキでも安定した姿勢を保ち、内側のラインに沿って停止することを確認できます。

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(4)一般道路を想定したハンドリング

クルマの基本「走る」「曲がる」「止まる」をしっかりと確認します。
このとき、ESPが作動することにより、安定したコーナリングを体験できます。

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(5)インストラクター同乗走行

コーナリングで前輪が逃げようとしている中でも、ESPがブレーキとエンジンを制御し、どのような路面状況でもタイヤが路面をがっちり掴み、グリップを失うこと無く、ラインをトレースしていきます。
メルセデス・ベンツはすべてのグレードにESPを標準装備。緊急時には、強くブレーキを踏むだけで良い。これが、メルセデス・ベンツの安心感です。特に雪道などの滑りやすい路面で、心強い味方となるでしょう。

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ブルーエフィシェンシーモデルの一般公道試乗

公道試乗には、Sクラス HYBRID、EクラスBlueTEC、EクラスCGIの試乗車が用意され、何とお客様3名でその3台を試乗することができます。大磯プリンスホテル周辺に設定された試乗コースは、一般道あり、自動車専用道路あり、峠道ありと変化に富んだコースです。途中には2か所の乗り換えポイントが用意され、お客様がそこでクルマを乗り換えることにより、3種類のブルーエフィシェンシーモデルに一気に試乗できるという仕組みです。

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(1)Sクラス HYBRID

3,500CCのエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車です。
ブレーキによる回生と、モーターによるアシスト、スムーズなエンジンを一般公道で体感します。

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(2)E350 BlueTEC

尿素SCRの技術を使い、平成22年排出ガス規制(ポスト新長期規制)をクリアしたディーゼル車です。
5,500ccのガソリンエンジン車並みのトルクと加速感を一般公道で体感します。

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(3)E250 CGI(クーペまたはセダン)

ダイレクトインジェクション(直噴)とターボの最新技術を用いた、1800ccのガソリン車です。
小さなエンジンでもEクラスのボディをストレスなく引っ張ることを一般公道で体感します。

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MBJ社は2010年2月24日(水)、都内でE350 BlueTECとEクラスステーションワゴンの発表会を行いました。

○メルセデス・ベンツ ドライビング・エクスペリエンス 会場レポートはこちらから。
http://www.mercedes-benz.co.jp/news/event/experience_report.html

○ブルーエフィシェンシーについてはこちらから。
http://special.mercedes-benz.co.jp/BLUE/

○メルセデス・ベンツ、AMGについてはこちらから。
http://www.mercedes-benz.co.jp/index.html

メルセデス・ベンツ ドライビング・エクスペリエンス フォトギャラリー

本記事の取材は、2010年2月に行いました。