JAIA 日本自動車輸入組合
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第1回アバルト・デイズ(ABARTH DAYS)

2010年5月12日


~ここでしか会えない珠玉のアバルトに感動!!~

2010年4月24日(土)から25日(日)の二日間、ニューウェルサンピア沼津(静岡県沼津市)をベースとして、第1回目となるアバルト・デイズ(ABARTH DAYS)が開催されました。
主催はチンクエチェント博物館(アバルト・デイズ実行委員会)で、アバルトの正規インポーターであるフィアット グループ オートモービルズ ジャパン株式会社(FGAJ)が協賛しました。

参加車両 フォトギャラリー

中にはアバルトではない車両も含まれますが、会場にいらしていた稀少なイタリア車ということで、掲載対象とさせていただきました。

アバルト・デイズは、新旧アバルトオーナー同士の親睦を深めるために企画されたイベントで、土曜日は箱根・伊豆周辺のツーリングと懇親パーティ、日曜日はコンクールデレガンスや新旧アバルトの試乗会などが行われました。参加できるのは、新旧ABARTH s.p.aで製造もしくは発売されたアバルトで、車体/エンジン等にアバルトの打刻がある車両に限られますが、日曜日のイベントは一般の方の見学も可能になっており、大変希少なアバルトを目の当たりにし、エンジン音を聞くこともできました。まさに動くアバルト博物館です。

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アバルト(Abarth)とは

アバルト(Abarth)は、オーストリア出身のカール・アバルト(1908-1979)が、イタリア国籍を取得しカルロ・アバルトと改名したのち、1949年にトリノ市に設立した “Abarth & C.” をそのオリジンとするブランドです。

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当初は、マフラー等の自動車用部品の販売をおもに手掛けていましたが、カルロ・アバルトは、同社を設立する以前は当時の自動車メーカーであるチシタリアにエンジニアとして勤務していたこともあり、次第にフィアットの小型車をベースにチューニングキットやレーシングカーの開発に乗り出します。
1950年代から60年代にかけては、まさにアバルトの黄金期で、その優れた技術が開花し、カルロ・アバルトの誕生月の星座であるサソリ(スコルピオーネ)を象ったエンブレムとともに、レース界を席巻しました。

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この間、多くの世界記録の樹立とともに、実に7,000以上のレースに勝利し、アバルトの名とサソリのエンブレムは伝説となりました。
ベースとする車両は、フィアットの小型モデルが多く、それらを非常に高度なチューニングにより、遥かに高い性能を発揮するようチューンするのがアバルトの特徴で、フィアット以外にも、チシタリアやシムカ等の小型車をベースに開発されたモデルが存在しました。

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また、ポルシェベースとして唯一356B1600GSカレラGTL(通称「カレラ・アバルト」)も製作され、それは「我々はレーシングカーというものをイタリアから学んだ」とポルシェに言わしめたほど素晴らしいものであったと言われています。ともにオーストリア出身のカルロ・アバルトとフェリー・ポルシェの結びつきが、この傑作を産んだのかもしれません。

1971年、アバルトはそれまで密接な関係であったフィアット社に買収され、同社のモータースポーツ部門を一手に担当することになります。アバルト124ラリー、アバルト131ラリー等を開発し、WRCを中心に活躍を続けますが、カルロ・アバルトは1979年、この世を去ってしまいます。なお、彼の没した月の星座もやはり “サソリ” でありました。

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日本では、1980年代に輸入されたアウトビアンキA112アバルト、フィアット・リトモ・アバルトにより、メカニカル・チューンのレスポンスの良いエンジンと、魅力的な排気音でアバルト人気が広まりました。
カルロ・アバルト没後間もなくの1981年、アバルトとしての活動は停止してしまいますが、その後フィアットのレーシング部門としての機能は生き続けます。

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アバルトと前後してフィアットグループの一員となり、80年代のWRCを牽引したランチアの037ラリー、デルタS4のグループBマシンは、アバルト技術陣の開発によるもので、当時四輪駆動のクワトロを開発しWRCに乗り込んで来たアウディと熾烈な戦いを繰り広げました。
やがてWRCがグループA車両へと移行すると、ランチア・デルタシリーズにより1987年から1992年まで6連覇の偉業を成し遂げます。

その後しばらくの休止期間を経て、フィアットは2007年、公式にアバルトの復活をリリースし、同時にプロトタイプが発表され、同年から本格的に活動が開始されました。
日本でも、2009年より専売ディーラーが開発され、グランデプント・アバルト、500アバルトが新しいアバルトファンの元に届けられています。

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アバルト(Abarth)ツーリング(4月24日)

初日の4月24日(土)は、ニューウェルサンピア沼津に集合し、9時から開会式。9時30分から箱根と伊豆を巡るツーリングがスタートしました。

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ツーリングコースは、スタッフの皆さんが何度もロケハンと試走を繰り返し設定されたコースで、往路は、沼津から伊豆縦貫道と国道1号を経由して箱根峠まで登り、箱根峠から天城高原まで伊豆半島の尾根を走ります。
天城高原での昼食後は、再び伊豆スカイラインを走り、芦ノ湖スカイラインを経由して御殿場へ。御殿場から東名高速で沼津に戻ります。

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いずれのルートも、富士山も海も(駿河湾と相模湾が一度に)見える素晴らしいルートです。
当日は生憎の天候で、霧が出たり、みぞれが降ったりする区間もありましたが、それでも参加の皆さんは大いにツーリングを楽しまれたようでした。

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ツーリングの後は温泉で疲れをいやし、懇親パーティとなります。
参加の皆さんがお酒を片手にアバルト談義に興じる間、中庭に整列駐車されたアバルトは、綺麗にライトアップされて、明日を待っていました。それは美しく、宝石のようでした。

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アバルト(Abarth)ミーティング(4月25日)

4月25日(日)はメイン会場の「ニューウェルサンピア沼津」で終日アバルトのミーティングとなりました。歴史的価値のある美しいアバルトがたくさん展示され、アバルトの助手席に乗れる「アバルトライド」という試乗会も行われました。

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オーナーさんのサービスでエンジンに火が入ると、アバルトミュージックを聴くための人だかりができます。

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コンクールデレガンス

会場では、参加者の投票による「コンクールデレガンス」が行われ、「一番かっこいいアバルトは?」「一番美しいと思うアバルトは?」「一番欲しいアバルトは?」のそれぞれ上位3台が選ばれました。
参加の皆さんのアバルトは、どれも素晴らしいコンディションで、投票された方も大いに悩まれたのではないかと思います。

■一番かっこいいアバルトは?

1位 和泉さんの1955年式Abarth 207-A Spider Corsa / Boano

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このスパイダーが纏う美しいバルケッタボディは、マリオ・フェリーチェ・ボアノが主宰する「カロッツェリア・ボアノ」によるデザインです。チューンアップしたフィアット1100/103の直列4気筒1.1リッターのエンジンを搭載しています。

2位 松井さんの1970年式Fiat Abarth 1000 TC Radiale Berlina

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フィアット600の優れたサスペンションを活用し、アバルトがその“魔法”により新たな息吹を吹き込みました。TCとは、ツーリズモ・コンペティツィオーネを意味し、このモデルがコンプリートカーとして市販されたレーシングカーであったことを物語っています。

3位 小泉さんの1964年式Fiat Abarth 1000 Bialbero GT Loungnose Ser.II

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1961年に発表された1000 Bialbero GT の最終モデルで、カルロ・アバルトが最も慈しんだモデルと言われています。その名のとおり、ベアルベーロ(DOHC)エンジンを搭載し、フィアット600をベースとしながら、空力的に洗練度を増したアバルトオリジナルの美しいボディが与えられた名作です。

■一番美しいと思うアバルトは?

1位 黒田さんの1960年式Fiat Abarth 850 Coupe Scorpione Allemano

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ジョバンニ・ミケロッティによる美しいボディは、アバルト史上もっとも女性的ラインを持つと言われ、1950年代の名残を控えめなテールフィンに見ることができます。スコルピオーネの名称が最初に用いられた珠玉の作品です。

2位 佐藤さんの1963年式Abarth Simca 1300 GT Corsa Ser.II

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シムカ1000をベースに、エンジンを1.3リッターDOHCユニットにチューンし、アバルトと同じトリノのカロッツェリア、ベッカリスによるオールアルミ製の美しい流線型ボディを与えられ、数多くのレースで輝かしい実績を残しました。

3位 小泉さんの1964年式Fiat Abarth 1000 Bialbero GT Loungnose Ser.II

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■一番欲しいアバルトは?

1位 和泉さんの1955年式Abarth 207-A Spider Corsa / Boano

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2位 平松さんの1982年式Lancia Rally Stradaleと清水さんの2008年式Abarth 500 Assetto Corse

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完全にフィアット傘下となったアバルトが、WRCに挑戦するランチアに“アバルトマジック”を施した作品で、前後鋼管フレームから成るシャシーに、スーパーチャージャー付2リッターエンジンをミドシップに搭載していました。

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アバルト500をベースにレース用に開発された車両です。アバルト500よりも120キロ軽量化され、最高出力は55馬力高められた190馬力を発揮します。

3位 河村さんのAbarth 500(2009年式)

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2008年3月のジュネーブショーで発表されたモデルです。国内では、2009年4月から発売が開始されました。
1.4リットル16バルブのターボ エンジンは135馬力を発生し、1.3トンのボディを軽々と引っ張ります。外観では、エアインテーク付フロントバンパーやリアルーフ スポイラー、クローム仕上げのデュアル スポーツ エギゾースト パイプなどが特徴です。

新旧アバルトオーナーさんにお伺いしました

会場では、新旧のアバルトのオーナーさんに、アバルトに夢中になったきっかけなどのお話を伺いました。

■2009年式のAbarth 500にお乗りの河村さん

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-アバルトとの出会いをお聞かせください。

私はコンパクトな欧州車が好きで、今までスマートやプジョーを乗り継いできました。
このアバルト500は2009年8月から乗っているのですが、きっかけは、2009年のゴールデンウィークにふらっと行ったアバルトの試乗会です。フィアット500と似たようなデザインなのに、乗り味が全く違うことに驚かされ、すっかりサソリの毒にやられてしまいました(笑)。
アバルトと聞くと高性能車で取扱いが難しいようにも聞こえますが、とても気軽に乗れるクルマです。大きなトラブルもなく、絶好調です。

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-アバルトとのお付き合いはもうすぐ1年になりますが、印象はいかがですか?

乗ってみて初めてわかりましたが、素晴らしい性能を秘めていて、ドキッとするような感覚がいいですね。
アバルトは素の状態でも十分に楽しめますが、乗り手の技量にあわせてクルマを一緒にステップアップできるのが大きな魅力だと思います。
アバルトには、エッセエッセキット(エンジンや足回りのキット)やレコードモンツァ(エキゾーストシステム)といったチューンアップキットを用意しています。メーカー設定のキットなので、一定の条件を満たせば、メーカー保証を受けることもできます。変なリスクを負うことなく、安心感があるのが良いですね。

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また、ドアミラーカバーは、ワンオフで作ったカーボン製なのですが、このように少しずつ自分好みにモディファイする楽しさもアバルトの魅力だと思っています。

-アバルト・デイズでは、創世記のアバルトモデルが多数参加していますが。

私は、アバルトというと、80年代にWRCで活躍していた037やデルタのイメージしか知らなかったのですが、オーナーになり、アバルトの歴史を知るごとに、こんなに歴史のあるブランドだったのか!と、驚くともに、アバルトブランドが復活したことがとても嬉しいです。

稀少性もアバルトの魅力なのかもしれませんが、私としては、より多くの方にアバルトの良さを知っていただき、多くの方に乗っていただきたいと思っています。

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-ありがとうございました。

■1964年式のFiat Abarth 595にお乗りの補永さんご夫妻

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-アバルトとの出会いをお聞かせください。

実は、アバルトに関する知識はなかったんです。
妻がルパン3世に登場するフィアット500が大好きで、たまたま買物に訪れたスーパーで実車を目撃してから、モデルカーを探し始め、入手したモデルカーがアバルト595だったんです。

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-では、いまお乗りのアバルトとの出会いは。

入手したモデルカーと同じクルマがほしくなり、それから私たちのクルマ探しが始まりました。
このアバルト595は1964年式のDタイプといって、前開きドアが特徴なんですが、大変数が少ないんですよ。
3年ほど探し回りましたか。なかなか見つからずに困っていたところに、妻の夢のなかに出てきた方が、「うちの倉庫にあるよ」って言ったんです(笑)。
ちょうどその時に目星をつけていたお店に出向き、夢のことを話すと、お店の方が、実は・・・といって、別の倉庫に案内されたそこに、この595がいたんです!

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-運命的な出会いですね。

はい、自分でも信じられない出会いです。
当初は、妻が欲しくて入手したクルマでしたが、乗ったら私が虜になってしまいました。
まったく故障が無いとは言えませんが、一通りメンテナンスした今は快調です。
もうひとつ、このクルマは1964年式ですが、私も1964年生まれ、同い年なんです。

-アバルトとの生活はいかがですか。

我が家には中学生の子供がいますが、いつも、家族で出かけるときは、このクルマです。
子供もすっかりアバルトが気に入っていて、今日は参加できなかったのを大変残念がっていました。

小さい排気量ですし、スピードも出ないので、高速や山道ではクルマは一生懸命、スピードはゆっくりと走っています。ほかのクルマに迷惑にならないよういつも道を譲るように心がけていますが、皆さん温かく見守って頂けるのでありがたいですね。

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普通の車だと目も向けられないのに、この車だと、追い越される際に手を振っていただいたり、「頑張って!」と声をかけていただいたり、乗っていて幸せな気分になれるクルマだと思います。

いずれ子供が免許を取得するようになりますが、ゆくゆくは子供がこのクルマを引き継いでくれると願っています。

-ありがとうございました。

第2回アバルト・デイズ

早くも次回の開催が決まっており、第2回アバルト・デイズは、2011年4月23日(土)~24日(日)に今回と同じニューウェルサンピア沼津で開催予定とのことです。
日曜日は見学可能なオープンイベントになっていますので、アバルトのオーナーさんはもちろんのこと、アバルトに興味のおありの方は、ぜひ、来年の参加をご検討されてはいかがでしょうか?

○アバルトについてはこちらから。
アバルト オフィシャルサイト
http://www.abarth.jp

○チンクエチェント博物館
http://www.museo500.com/

本記事の取材は、2010年4月に行いました。