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2009年のお知らせ

理事長会見(2009年7月)

JAIAは7月22日(水)、理事長会見を開催いたしました。
会見主旨は、以下の通りです。

会見主旨

ハンス・テンペル
理事長

【景気動向】

日本経済は、政府や日銀の経済指標で示されているとおり、輸出、生産や企業収益に持ち直しの動きがみられ、景気底打ち宣言があった。とは言え、実体経済に明るさは無く、雇用情勢、個人消費の厳しい状況に変わらない。

【国内自動車市場動向】

今年の上半期は、未だ厳しい実体経済や、少子高齢化、また若年層のクルマ離れといった消費構造の変化も影響し、国内市場全体では前年同期比26.4%減の約130万台と、4年連続で減少となった。これは、統計開始の1968年以来、過去2番目に低い水準となり、極めて「深刻な状況」にあると言える。

しかし、本年4月から始まったエコカー減税、また6月から受付けが開始された新車購入補助制度により、6月の国内市場全体の登録乗用車は、9ヵ月振りに前年比2ケタ減を脱し、先行きはいまだ予断を許さない状況であるものの、下げ止まりの兆しが見え始めようとしている。

【輸入車市場 上半期実績】

外国メーカー車の上半期販売実績は、前年比26.6%減の約7万8千台となり3年連続の減少、これに日本メーカー車を加えた輸入車合計は、27.3%減の約8万7千台となり、同じく3年連続の減少です。これは、1992年以来17年振りの低水準となった。

国産車においては、各種政策の効果により下げ止りの兆しが見え始めているが、残念ながら輸入車には様々な条件により対象となる車種が少ないので、その恩恵は限定的である。

一方、これらの施策を、消費者の目が自動車に向き始める好機と捉え、一部のインポーターは独自の新車購入サポートプログラム等の各種販売施策の実施を始めており、徐々にその効果が表れている。しかし、その金銭的負担は、インポーターあるいは海外のメーカーが負っている。

国内市場全体と同様、一部の輸入車にも多少好転の兆しが見えるものの、依然として海外ブランドを取り扱うディーラーおよびインポーターの状況は厳しく、海外メーカーを含め、短期的な回復を望むことが難しい状況に変わり無い。

【輸入車市場 下半期の見通し】

政府による景気底打ち宣言があったが、個人消費の回復が遅れている厳しい市場環境の下で、具体的な数字を示すことは難しい状況である。

今後、国内市場の回復とともに、各社の新型車投入や各種販売施策の効果により、減少幅は徐々に縮小すると思われるが、政府による自動車市場への経済対策も、輸入車にとってその恩恵は小さく、全体のトレンドを変えるまでの効果は期待できない。

最終的には前年並みの確保は厳しく、このような状況は、2010年まで続くものと思われる。

【政府の自動車関連経済対策に関する見解】

本年度の追加経済対策で「新車購入補助制度」が盛り込まれ、厳しい状況が続く自動車産業に対し、政府による直接の経済的支援が行われたことは、世界的な流れとはいえ、評価する。しかし、エコカー減税と新車購入補助制度の要件は、輸入車業界にとって満足できる内容ではない。

自動車に限らず何れのビジネスを展開するにしても、その国の政府が定める規制に適合させる必要があることは、異を唱えない。しかし、今回付された様々な条件は、疑問が残る。

(1)燃費基準
乗用車の燃費はこの10年間で平均2割以上も改善している。つまり低年式の車両から今日の新車に代替するだけで、排ガス性能も向上し、燃費は大幅に改善される。

自動車技術のその間の進歩を踏まえて、相当の環境改善が図られることを前提に、結果対象車が国産車に限定されるような対応策は避けて頂きたい。

(2)定額補助
スクラップインセンティブの25万円の定額補助は、定額でなく、定率式を採用する方が、全てのクルマ、ユーザーに平等であり、また、景気対策の面からも効果が大きいと考える。

一部の輸入車には、車齢が13年を経過しても、残存査定価額が25万円以上のモデルもあり、このようなケースでは定額制は効果がない。

一般的に輸入車は製品寿命が長く、13年超の保有車に占める割合が大きい。これは輸入車の品質や耐久性能、価値の証明でもあり、このような比較的高額な輸入車の代替が進めば、経済効果がさらに期待できる。定額制ではなく、定率性の方が、より広く効果を期待できると思う。

(3)テクノロジーニュートラル
今回の環境技術や燃費基準の措置が、環境対応車の普及促進を狙いとしていることは理解している。しかし、普及促進策は特定の環境技術に与えられるものではなく環境性能に対して与えられるもの、つまりテクノロジーニュートラルであってほしいと考える。

低炭素社会実現の目標に向けて、電気自動車、ハイブリット、ディーゼルなど各社は様々な取り組みを行っている。

最終目標である低炭素社会に近づくために、メーカー、インポーターが提供するのは環境性能である。ある特定の技術を偏重せずに環境性能を達成する最適な技術を選ぶことが、現段階では重要だと考える。

(4)基準認証の国際化
日本政府は基準認証の国際フォーラムであるWP29に1998年に参画してから、基準認証の国際化は大きく進展したと感謝している。しかし低炭素社会や死亡事故半減の目標実現のためには、さらなる国際調和が必要と考える。

燃料電池車やITSなどの先進技術のついた車を日本で普及させるために、これらの先進領域での基準調和と車両全体の認証制度の統一を望む。燃費や環境性能基準、認証制度の国際的な調和を図っていくことは、輸入車業界のためだけではなく、日本の自動車産業が発展していくうえでも必要な取り組みだと考える。

日本は、世界トップの自動車生産国であるわけで、政府はこういった基準の国際化に、もっと積極的になるべきである。

【2010年度に向けた要望】

昨年5月に理事長に就任してからの1年を振り返ると、輸入車にとって大変難しい1年だったと感じている。今後の活動の抱負は、継続して積極的に市場活性化のための施策を政府へ要請する。

本件に関して、先日、2つの提案を政府に提出した。

(1)テストサイクル
まず1つめは、排気・燃費測定のテストサイクルの国際調和を要望した。

輸入車がエコカーとして現行の優遇措置の対象にならない理由は、その排気・燃費性能に劣るのではなく、日本のテストサイクルと欧米のテストサイクルとの差によるものが大きいと考える。国際的に同じスケールを用いた排気・燃費測定方法を、日本政府のイニシアチブにより定めるよう要請した。

(2)自動車関係諸税
2つめは、自動車関係諸税の見直しをさらに進めることで、より広範な市場回復を実現することである。

2年後に控えている自動車関係税制の抜本的見直しについて、自動車取得税、自動車重量税の廃止を含め、それらを前倒しのうえ実施すべきとお願いした。日本の自動車関連税制は欧米諸外国と比べ、複雑かつ過重であり、ユーザー視点に立った国際調和が必要である。