自動車税制改革フォーラムがトークショーを開催
~ユーザーにも言わせろ!クルマの税金~
自動車税制改革フォーラム(当組合を含む自動車関係21団体で構成)は2008年6月2日(月)、「ユーザーにも言わせろ!クルマの税金」というテーマでマスコミ向けのトークショーを開催しました。
トークショーのナビゲーター兼パネリストは、フリーキャスターの宮田 佳代子さんで、パネリストは、演出家のテリー伊藤さん、早稲田大学商学学術院教授の杉山 雅洋さん、東京トヨタ自動車(株)取締役会長で(社)日本自動車販売協会連合会 法規・税制委員長である深津 泰彦さんの3名です。

納める側の視点が欠落している道路特定財源問題
| 宮田 : | 今日6月2日は自動車税の納付締め切り日でしたが、皆さん、納められたでしょうか。それに加えて、6月1日からガソリンが急に高くなりました。この2つはきょうの問題にも大きく結びついてくると思います。自動車ユーザーの税負担は、年間約9兆円。これは国と地方をあわせた税収全体の、なんと1割にも上る非常に大きな金額です。国が使い道を道路整備に特定すると約束した上で、自動車ユーザーに課してきた道路特定財源。これを一般財源化する議論が行なわれていますが、徴収する側と使う側の議論ばかりで、納める側の視点が欠落しているのではないかと見受けられます。きょうは自動車のユーザーの視点で議論を進めていきたいと思います。 |
| テリー : | 今、町でクルマを買おうとしている人たちが、みんな二の足を踏んでいます。そして高いクルマを買うことを怖がっているのですよ。クルマに関する税金が高すぎます。クルマを買うのに9つも税金がついている。クルマは今、贅沢品でもなんでもなくて、ほんとに生活の一部ですよ。 |
| 杉山 : | 道路特定財源諸税。「税」と名前が付いておりますけれども、実質的にはこれは料金です。道路サービスの利用料金。一般財源化は道路整備が十分であるということを前提にした議論ですが、十分であるならば暫定税率の必要はないわけです。一般財源化するというこの機会を前向きにとらえるのであれば、自動車税制に関して、どこが不合理であるのか、どういう形であれば納税者が納得できるのか、ここを徹底的に議論することが必要ではないかと思います。一般財源化は自動車ユーザーをないがしろにしている |
| 深津 : | 私、自動車関係諸税を考えるときに、その背景なり、環境が大きく変わっているということを認識していただきたいと思っております。あえて申し上げますが、暫定税率が追加になった時代は、日本の道路はまだまだ未整備であり、道路を造るためなら、過重な税負担もやむを得ないという世論もあり、所得も伸びておりました。現在は皆さんご承知の通り、日本の道路はある一定のレベルになりました。昨今、所得も伸び悩んでおり、自動車関係諸税の負担感というのは従来に増して非常に大きくなってきています。道路を造るからと言って、長年本当に過重な税負担をしてきたわけですから、そのまま一般財源化というのは本当に自動車ユーザーをないがしろにしているというふうに思っております。ユーザーの怒りと言いますか、販売店業界も怒っていますけれども、ぜひこの際、抜本的な見直しをしてもらいたいと思っております。 |
| 宮田 : | そもそも道路特定財源は道路に使うということですから一般財源化とは、余っているということなのでしょうね。 |
| テリー : | 道路は人口が減っているにもかかわらず、造っているのですね。何年も前から、ずっと計画的に道路を造るのは決っているわけです。 |
| 深津 : | 最近、若者のクルマ離れみたいなことが言われますけど、今の若い方々の収入というのは、本当に伸びてないですよね。しかもガソリンが高くなってきて、この重税でしょう。ただ単にぼくは、クルマ離れだけではなくて、なかなか買えないという状況があると思うのですよ。 |
自動車ユーザーだけが負担する理屈はない
| 杉山 : | 昨今の議論は、道路イコール悪、道路特定財源イコール悪と、こういう図式が定着しているように思います。果たしてそうなのでしょうか。本質は受益者負担原則ですから、利益を受ける人、これが費用を負担すると、こういうことです。従いまして道路の整備が必要でないということになれば、暫定税率の意味は全くないわけです。課税根拠がなくなるわけです。一般財源化になり、納めた人の税金が例えば教育とか福祉に回るということであれば、私は消費税でいくべきだと思います。なぜならば、自動車ユーザーだけが負担しなければならないという理屈はないからです。特に地方に行きますと、公共交通機関のサービスがないわけですから、もう生活必需財として、一家に3台、4台持たなければいけない。ですから地方の方々に過剰な負担をかける。公平ではない。消費税で対応したほうがはるかに公平だと思っております。 |
| 宮田 : | 一般財源化したのなら、課税の根拠がなくなるのだから、自動車関係の諸税は廃止するべきだという、ここの部分がなかなか素直に入ってこないんです。テレビを見ていても、新聞を読んでいても。 |
| 深津 : | 私はもうかれこれ30年以上、この自動車関係諸税の減税活動というのをやってきて、一部グリーン税制等でわれわれの要望が取り入れられたことはあるのですけれども、そのほかのことはほとんど取り入れられずに今日に来ているのですね。確かに今の国の税収不足、深刻な問題だというふうに思っています。だから私どもは、自動車税制の負担と、それから道路にどれだけ使うかということと、国の財政再建をどうするか、この3つをバランスよく議論して、将来の方向を決めてもらいたいなというふうに思っております。 |
今秋に自動車税制を見直さないと未来永劫据え置かれる?
| 杉山 : | 一般財源化をするという背景の1つには、国のプライマリーバランスをできるだけ早期に回復したいと、こういうのが非常に大きな要因になっています。しかしながら、その際になぜ自動車ユーザーだけが協力しなければいけないのか。そこを政治は説明する必要があるのです。かつて自動車税制改革フォーラムが一千万を超える反対署名を集めているわけです。その反対署名の声が、今どこかへ行っちゃっている。本当の納税者の声というものが失われている。納税者はやはり、公平に扱われるべきだ。 |
| 宮田 : | おとなしく、よく払ってますね、私たち。 |
| テリー : | ドライバーだけじゃなくて、日本で一番優良な企業というのは自動車メーカーですよ。自動車産業ですよ、今世界で頑張っているのは。そこをやっぱり育てていくということを、政府はしてないよね。クルマだって、洋服だって、安ければ買うのですよ。それで、ものすごく高いやつも買う、金を持っているやつは。でももう少し下の人たちに、有益なことをしていかないと、日本の産業自体が駄目になっていきますよ。 |
| 宮田 : | 皆さんに一言ずつ、ユーザーにメッセージをお願いします。 |
| 深津 : | 私は今年の秋の税制改正論議の中で、もし自動車税制の見直しが行われなければ、これは未来永劫とも自動車関係諸税はこのままに据え置かれる可能性が大だというふうに思っております。従いまして、何が何でも今年の税制改正の中で、私どもの長年の要望であります、簡素化・軽減、このことはぜひ入れ込んでいかなければいけませんし、特に取得税と重量税は、この際やっぱり廃止すべきではないかというふうに思っております。 |
| テリー : | 取得税と重量税を廃止するというのは大きいですね。あとはやっぱり、ほんとにぼくはこのフォーラム、5年ぐらいやらせてもらっていて自動車税制が見直されず、ほんとにむなしい気持ちがすごくあるのですよ。今日はたくさんのマスコミの方が来ていますので、ほんとに皆さんの力を貸してください。ぜひ皆さんの力を借りて、見直しを実現したいと思います。 |
| 杉山 : | はい。税金というのは、国民にとって非常に重要なものですから、納税者が納得できる、こういう形にしなければ私は民主主義国家とは言えないのではないかなと思います。ただ、税額が多いから、これを一般財源化して、別の目的に使おうというのはあまりにも短絡的な考え方ではないでしょうか。取得税、それから重量税、これはほとんど現代的な意味がなくなっております。それからもう1つ、身近なものとして加えさせていただきますと、皆さま方が高速道路を走るとき、高速道路料金を取られています。それに加えて、実はガソリン税も取られている。これは明らかに二重取りです。こういうような、説明できないところが少なからずあります。 |
| 宮田 : | ありがとうございました。この機会に秋に向けて、税制全体の話を見直すべきだと思います。やっぱり、納税者の理解がまず第一。そこから始まって、そして国を動かせるような、そんな風通しのいい国であったらいいなと強く望んでおります。 |

日本自動車輸入組合(JAIA)は、関係団体と連携し、自動車税制改革フォーラムを通じて、納税者である自動車ユーザーの視点に立った減税要望を 主張すると共に、取得税の廃止や買い替え促進税制の導入などを国際比較の視点から政府に要望して参ります。

